DVD REVIEW
「マイアミバイス」(2006年 アメリカ)
「男映画、女不要」というオトコ対決映画専門家というのがマイケル・マンという監督の印象だ。メジャーな作品を手掛けているから、まったく女っ気なしということはないけど、「ヒート」なり「コラテラル」ではオトコの対決美学をひたすら見せてくれる。そして銃撃戦のセンスの良さ。夜の街の美しさ。
本作は外からの要請でもあったのか、デートで来ている人カップルへの映画後のためのサービスか、女性とのラブ・シーンが多めなんだけど、それがとってつけたような感じで、どうもいただけない。女性との関わりあいを描くなら、濃厚なベッドシーンより、さりげない精神的なつながりを感じさせるシーンを重ねたほうがいいと思うのだけど、それは面倒臭いのか(笑)、愛が深ければベッドも濃い!という理論を映像で再現。やや間違っていないか。
コリン・ファレルが、ヒロインと恋に落ちるあたりが早すぎる。ファレルに対して興味なし、という感じから急に惚れ惚れにシフトするのが不自然な感。それなら、最初から一目惚れというほうが納得できたなぁ。
主役のコリン・ファレル 、ジェイミー・フォックス 、ふたりとも大好きな俳優で、キャスティングとしてはあえて渋い路線を狙ったのもわかるだけど、うまくいってない感じがした。話し的には悪くないし、オープンニングのパーティのシーンの撮りかたとか、さすがうまいなぁと思う。夜の銃撃戦も良かった。だけど、好きな監督なんで、ついアラを探してしまいました。