DVD REVIEW
「変態村」( 2004年フランス)
映画の中で、なくても問題はないけど、あったほうが良くなったシーンってあると思う。本作はそんなシーンだけで構成された作品のような気がした。
また、メインデッシュがなくて、オードブルばっかりな食事とも説明できるかも。この邦題やパッケージのアートワークはちょっと損していると思う。この印象だとドロドロ、グチャグチャなスプラッターものみたい。でも、そういったシーンはほとんどない。
多分、監督はホラーやスプラッター映画に影響は受けていると思うけど、それらの一般的なファンが重視する一種のカルシタスな部分より、アート的な部分に強く感化されていると思う。本作は、ホラーというより、アート系映画に近い。カルトまではいかない感じ。カルトというほど強力なサムシングに欠ける。
でも、僕はそういったミニマム加減は好きだし、特殊効果どころか直接的な暴力表現もほとんどないのに、ここまで不穏で不気味な雰囲気を作り出しているのは、凄いと思う。 本DVDには、特典で短編作品も収録されていて、それもなかなか見応えある作品なので、お見逃しなく。