DVD REVIEW 「ブルー・レクイエム」(フランス・2005年)
復讐をテーマにした作品。フランスのアクション映画というのは珍しい。アメリカの作品と比べながら観るのも楽しいと思う。
舞台の警備会社は、年寄りが多く、みんな仕事もヤル気がない。いざという時に頑張る訳でもなく、愛すべきダメさでもない。こういう殺伐さってアメリカ映画ではあまり観ないような気がした。
日常のドラマ・パートは妙に長く、主人公が出会う女性との関係も薄い。要するにメリハリがない。主人公の状況もわかりにくい。
主人公は復讐の意味の無さに薄々感づいている。でも、それしかない。「復讐に燃える」というより「復讐しかない」男。娯楽映画としてユーモアの気配りもあるし、なにげないシーンも印象に残る。退屈はしなかった。アート映画ではないけど、わかりやすさより、アーティステックな撮り方に時にこだわるのは、フランス映画だなと思った。