DVD REVIEW
「太陽」( 2005年・ロシア,イタリア,フランス,スイス)
何事にも終わりはある。終わりは始まりかもしれない。
完全なる終わりというのはあるのだろうか。終わりは、同時になにかの始まりかもしれない。なにかが終われば、新しいなにかを始めるだけ。人生とはそんなもん。
物事の終わりという一種の「結果」を考えるより、僕は「過程」が好きだ。「結論」というのは「過程」の成果であって「結論」を一生懸命考えても良い「結論」が出ることはないと思う。
「過程」を細く考えることが大切なのだ。「結果」というのは自分以外の人間が考えることなんじゃないかな。それに「結論」というのはいつもアッサリしたものだし、それだから価値がある。
表現として興味があるのは僕は「結論」より「過程」。
本作は昭和天皇が、第二次世界大戦の終結というひとつの「終わり」の中をどのように過ごしてきたか、その「過程」を淡々としたドラマで表現されている。ユーモアもあり、一種の夢もある。自分の「過程」も考えさせる作品だった。