CD REVIEW
Mark Stewart / Mark Stewart(1987・イギリス)
怒られることは気分の良いことではない。しかし、それによって、自分の間違っていた部分がわかるのは大変ためになること。貴重な「体験」だと思う。
マークス・チュワートというと、とにかく「怒っている人」というイメージがある。ポップグループの時代から怒りっぱなし。このソロ3作目は、ジャケットがわりと、控えめなんで、そろそろ怒りも収まったでしょうか…とドキドキしながら、再生してみる。
聴いてみると、まだまだ冷静に怒られている感じ。すいません。シルヴィアン&龍一「禁じられた色彩」、サティの「ジムノぺディ」を素材に怒られた日には、ただただ恐縮するばかり。タブ+音のコラージュにより独特の音楽(音響)世界は、曲によっては先に書いた意表な曲をモチーフにして楽しませてくれる。それらから、単なるキレキャラではなく、役に立つ説教だということがわかる。そんな「体験」ならこれからも、出会っていきたい。