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NEWS No.17002-2 「500m美術館開館5周年企画 札幌・ポートランド姉妹都市交流展 」

2017.01.06

札幌・ポートランド姉妹都市交流展
NEWS No.17002-2 アートなニュース


コラージュ再考。
フラッシュバック。

アートって、なんでもありだよね。という発想は正しい。ただ、そればかり考えると頭の中の動きが鈍くなる。今あるアートは最初からすべて存在していた訳ではない。アートの歴史という時間の流れの中で発明されたり、改良されてきたもの。今、あたりまえのアート(表現)が、無い時代もあった。それを思い出しながら、アートを見ていかないと、新鮮でクリアな視点でアートを体験できないと思う。

アートの技法の中で「コラージュ」というのがある。それは、さまざまな既存の素材(写真、書籍、雑誌、新聞、書類などの既存の素材)を「組み合わせる」ことによって、作品をつくる技法である。

本展示のブレア・サクソン・ヒルによるコラージュ作品。ぱっとみると、その白黒でクラシックな力強い質感はコラージュには見えない。しかし、もう一度目を凝らすとコラージュが見えてくる。その発見。いいなぁ、この強さ。なんだろう、素直で優しい強さなのだ。僕はこれは魅力だと思う。明るい強さとも言い換えることはできるだろう。どこまでも魅力的だ。それは、たぶん繰り返しだが「強さ」だと思うのだ。そして、それは優雅さを持っている。

本展示は札幌の姉妹都市ポートランドのアーティスト3人よる内容。今回のテキストでは、コラージュ作品を出品した。ブレア・サクソン・ヒルの作品を紹介した。他の2人の作家の作品も見る価値のあるものだと思う。ぜひ、足を運んで見て欲しい。

ishikawa

Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「500m美術館開館5周年企画 札幌・ポートランド姉妹都市交流展」
会期 : 2016年10月29日(土)~2017年1月18日(水)
会場:札幌大通地下ギャラリー 500m美術館
出展作家:
Blair Saxon Hill(ブレア・サクソン・ヒル)
Peter Simensky(ピーター・シメンスキー)
Zach Yarrington(ザック・ヤーリントン)

NEWS

NEWS No.17001-1「 美術館の楽しみ方、初心者むけ by NUMERO DEUX」

2017.01.04

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NEWS No.17000-1「初心者のための美術館の行き方7つコト」

僕が思うアートとのつきあい方を知ってもらうために。
美術展に気軽に行ってみよう〜初心者ガイド。

僕はアートが好きです。こんなサイトをやっているくらいですから。そして、アート好きな人も増えてくれると嬉しいと思ってます。余暇の選択肢のひとつとして美術館に行く、という機会を増やしてくれればいいと思います。そのため、この記事を書いてみます。

アート(芸術)は、パソコンやスマートフォン、タブレットでインターネットでも楽しむことができます。24時間いくらでも。リビングのソファでも、ベッドの中でも。通勤中でも。そんな時代ですが、僕はアートを鑑賞する基本は美術館等(アートの展示場所)に行くことだと思っています。

それはなぜ?なぜでしょうね。わかりやすく説明するなら、多分、音楽もスマートフォンで聴けるけど、フェスに行く、と同じ感覚だと思う。そう、美術館は静かな、ライブ会場だと思うのです。その時だけの「体験」に大きな魅力を感じる。「良い気持ち」につながる。良い気持は、大げさだけど生きる希望や、アイディアを生み出す。それに、無料で見られる美術展も多い。だから、意外とお金のかからない、コストパフォーマンスのいい趣味かもしれませんよ。では、以下7項目に分けて、初心者のための美術展を楽しみ方を紹介しまう。では、いきましょう。

※注意 今回の記事で「美術館」というのは公立の美術館だけではなく、民間のギャラリーや、そのほかのアート施設、カフェの中に展示スペースのあるギャラリーカフェなど、美術鑑賞ができる空間を意味しております。アートは街中にありますよ。

 1.美術館の展示情報をどう知るの?

昔は新聞やタウン情報誌で調べました。あと、美術館にあるチラシやポスターをみたり。これらの方法も今も有効ですが、加えてインターネットができて楽になりました。google等の検索サイトを使って「札幌 美術展情報」で検索すればいい感じです。出てくるサイトには、おもに2種類あります。美術館そのもものサイト(例:北海道立近代美術館クラークギャラリー+SHIFT )と、アート情報を集めたサイト(例:ギャラリー等施設紹介/札幌市ART AleRT SAPPORO)があります)。興味のある展示があったら、手帳やカレンダー等にメモしておくといいですよ。そうしないと行きそこなって、残念なことも多いですから。美術展に行く予定を入れましょう。

2.いつ行く?、誰と行く?

公立の美術館は開いているのは9〜17時という感じが多いです。お仕事等があると、行くのはなかなか難しいですよね。お休みの日に行きましょうか。9時頃に行くのは目指せば、早起きをして美術館をたっぷり楽しんだ後、ランチというのもいいと思います。それでも午後の時間をたっぷり別の楽しみに使えるでしょう。

でも、平日に美術館に行くのを諦めてもいけません。遅い時間までやっているところもあります。特にギャラリーカフェ(カフェにギャラリースペースのあるところ)は、そういうところ多いです。仕事帰りのアート鑑賞もいいもの。仕事が定時に上がれてみたら、行ってみたらどうですか? ギャラリーカフェなら簡単な飲食もできるところもあります。夕食も兼ねてまたは、一杯飲めるところもありますよ。楽しみましょう。

アートは1人でも数人でも楽しめます。お好きなほうで。僕の印象だと美術館には1人か2人で来ているのが多い感じがします。また、企画によっては子供を想定した美術展もある。家族で行くのもいいかもしれませんね。

3.どんな服装で、何持っていく?

美術館に行くのに決まった服装はないかと思います。お好きな服装で。普通に街に買い物等にお出かけする格好でいいかと思います。美術館には時々、オシャレな服装でいらっしゃる方も見ます。それも素敵だなぁとは思います。オシャレをして美術館とすこし良い食事とセット予定するのもいいですね。美術館の近くのレストランを探しましょうか。

持ち物は…とりあえずお財布は持って行きましょうね。大きめの美術館の有名な企画は料金も高いのです(さらにいうなら、こうした企画は大変混雑します。お気をつけて)。プレイガイド等で前売券を買っておきましょう。少し安くなります。逆に無料で入場できる美術館もたくさんあります(ギャラリーカフェは展示を見るのは無料でも、お茶の注文が必要なところが多いです)。あと、少しはお金を持って行く理由がある。作品が気に入ったら、その関連アイテム…ポストカード、図録等が会場で売っているかもしれません。それが欲しいですよね。また、パンフレット等がもらえる場合があるので、A4サイズが入るバッグがあったらいいですね。

4.会場でアートをどう見ればいいの?

自由に見ればいいかと思います。僕は自分ひとりの場合なら、まずざっと全部見てから、その後ゆっくり見直すことが多いです。出口から出ない限り、何度でも見られる訳ですから。2度目は作品は別に平等に見る必要もありません。2回目からは自分の好きな作品を時間をかけて見ています。作品を見ながら、気に入った理由を考えます。時にはまったく関係のないことも考えることもあります。なんでもいいのです。アート鑑賞の気分って。最初のうちはとにかく、たくさんの美術展に足を運ぶのがいいかと思います。そして、もしアーティストに興味を持ったら、インターネットで調べてみるのもいいでしょう。ウェブサイトやTwitter等のSNSで、より詳しい情報がわかるかもしれません。

あと、展示の最初ほうに美術展のコンセプトや作家の経歴があるので、読んだほうがより興味深く楽しめると思う。美術の鑑賞って、フラリといっていて見るだけでもいい。でも、その美術展のチラシや今書いた展示の最初にある展示コンセプト文や、アーティストの経歴。それらを読んでいると、展示をさらに楽しめますよ。

アートというの感覚的なものだと思われますが、実はそれだけではありません。同時に学術的なものです。美術展がいろいろ楽しくなってきたら、一度簡単な美術の歴史の本を読むといいと思います。難しい本ではなくてかまいません。一冊で美術のはじまりから現代美術までカバーしているような総論的な本で十分です。そういった本で美術の知識があると、美術館が行くのがより楽しくなりますよ。美術展に行けない時、家で美術の本を読むのもいいものですよ。それは、気分転換になる素敵な勉強です。

5.撮影していいの?

原則、美術館は撮影禁止だと考えましょう。でもでも最近はオッケーのところも多い。撮影について、表示しているところも多いので、展示場所付近をキョロキョロしてみましょう。わからなければ、スタッフの人に聞いてみましょう。ただ、撮影より、その場の美術展を楽しみのが一番ですよ。その時だけの美術展体験を大事にしましょう。

6.作品が欲しくなったら?

展示によっては、作品のそばに価格が書いてあるか、価格表リストが用意されている場合も。個人やギャラリー主催の場合は、販売している場合が多いです。わからなくても興味があれば聞いてみましょう。価格はさまざまですが、数万円から10万代くらいが多いかと思います。価格には「額」(額装)の価格は入っていないことが多いので注意してください。額のことも買う時に相談したほうがいいと思います。あと、飾る場所をイメージしてから、買うのを検討するのがいいかと思います。アート作品は、長持ちして、維持費もかからず、あなたの気分を良くするアイテムですよ。

7. アーティストとお話すること。

美術展の情報の中でアーティスト自身がいる場合があります(これを在廊といいます)。もし、作品に感想や、知りたいことがあれば聞いてみるのもいいかと思います。そのための在廊ですから。でも、他にお話をしたい人もいると思うので、短めに自分から切り上るのがスマートだと思います(アーティスト側から話を終わらせるのは難しいので)。もちろん、無理にお話をする必要がありません。挨拶だけでも十分です。

————————————-
さてさて、
いかがだったでしょうか?
美術館に足を運ぶ生活、はじめてみませんか??

ishikawa
Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

NEWS

NEWS No.16079-7 「MACHINAKA ART-X_edition vol.23 『北海道アール・ブリュット展』」

2016.12.30

c吉田幸敏
NUMERO DEUX NEWS 16079-7アートなニュース


ハンディキャップと
キュレーション

僕はわりと日常的にギャラリーに行ってみたり、アートのニュースを目にする。すると障がいのある人のアートというのは目にする機会もある。僕の体験からだとそれは、昔からある歴史あるものだと思う。考えてみると、著名なアーティストでもなんらかのハンディをもっている人もいる。それはご存知のとおり。

そういった体験の中で僕が障がい者とアートについて考えるのは…結局は作品がすべて、ということ。障がい者の作った作品だから…という配慮を持った視点で見るのは逆に失礼だと思っている。だから、基本的に「障がい者」というキーワードで、特に反応することもない。それに、先に書いたとおり、世の中にはそういったことを表に出さないアーティストもいる訳だから、そこを評価基準にしてもしょうがない。

僕が障がい者とアートについて気になっている点はひとつ。作品そのものより、会場とか展示の仕方とかキュレーションについて興味がある。具体的にいえば、作品の展示のレイアウトや広報の仕方が、もう少し工夫できなかったのかな…と思うことが多い。出品する以上、彼らはアーティストなのだ。彼らにふさわしい作品配置をするのが、キュレーションする側の義務だろう。作品の選定についてもそうだ。

北海道アールブリュットネットワーク協議会とは障がいを持つ人々の創作活動をサポートする団体。メンバーは、アート活動に実績のある障がい福祉事業所、全道規模の障がい福祉協会、権利擁護を考える弁護士/芸術専門家としての学芸員・大学教員など。本展示はクラークギャラリー+SHIFTのキュレーション協力によって、ホテルというスタイリッシュな空間の中での展示がおこなわれる。

本協議会のような役割は大切だ。アートの未来の一部がつくられる。本企画のような「機会」がもっと増えればいいと思う。そして多くの人に本展示を見てもらいたい。

ishikawa
Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

MACHINAKA ART-X_edition vol.23
「北海道アール・ブリュット展」
会期:2017年1月14日(土)〜3月31日(金)
出展予定作家:上杉克也、蝦子陽太、田湯加那子、鉄地河原勝彦、松島ひろみ、三浦明菜、吉田幸敏
特別招待作家:林田嶺一
会場:クロスホテル札幌 ロビー・ミートラウンジ(北2西2)
主催:クロスホテル札幌
キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:北海道アール・ブリュット・ネットワーク協議会、まちなかアート

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