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NEWS No.16077-5「東京・リトルプレスのある風景(7)「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)」

2016.12.24

NADiff

NUMERO DEUX NEWS 16077-5 アートなニュース

表現は楽しい。小さくて大きい「紙メディアの世界」=リトルプレス
「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)」。
美術について考えさせる正統派のアートブックストア。

もう北海道は冬になってしまいました。雪が空を舞っています。
この記事は過ぎ去った夏の思い出の話です。

A.)いつもの前置き。 

リトルプレスとは…個人や団体が制作から流通までを手がける小さな出版物。Zine(ジーン)ともいう。少し前なら、インディマガジンとかさらに昔はミニコミ誌とか呼ばれる種類のものかもしれない。もっと昔ならズバリ「自主制作」という感じですね。歳がばれるなぁ。意味合いはいろいろ変わっていく。「リトルプレス」のニュアンスは、規模さえ小さければテーマは自由。取材記事等のある雑誌ふうのものから、個人のアート作品に近いものまで幅広く感じる。

2016年9月。まだまだ暑かった都内。リトルプレスをあつかう魅力的なお店を8つ訪れてみた。た。8回に分けて、ひとつひとつ紹介していきたいと思う。最後のひとつ前。7回目です。前置きはこのへんで。すすみましょう。

B.)これまでの記事について、そして今回!

これまでの復習。初回はジュンク堂池袋店について書いた。2回目は同じく大型書店の代官山蔦屋書店について触れた。2つの「大型書店」「未来」。その中でのリトルプレスという視点で続けてみた。3回目は、未来という部分を引き継いで今の書店のスタイルとして渋谷にあるユトレヒトを紹介した。4回目では「過去と未来」という視点で中野にあるタコシェを紹介。20年以上続いてるお店の魅力を書いた。そして、5回目では、リトルプレスを取り扱うだけではなく、様々な方法で「手助け」をする新しい形をもつお店MOUNT ZINEを紹介しました。それに続くように、クリエイターに優しげな視線をむけるお店ブックギャラリーポポタムを前回(6回目)紹介した。さて、今回は、恵比寿にあるNADiff A/P/A/R/Tである。ここのポイントは「今」を感じさせるアート書籍のある。本で勉強したくなる。空間でした。

C.)第7回目「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)」。

さて、まずまず場所なんですが。恵比寿駅から歩いて10分程度で、道のりは静か。歩いていても気持ちいい。でも、わかりづらい印象です。中通の奥のほうにあるので、ひっこんでいる。でも、対策としては、サイトにある地図をよく見ればいいかと思います。このリンクの地図が一番わかりやすいかと思いました。

さて、お店の印象としては、アート好きにはたまらない空間という感じです。書店ですが、地下にギャラリーも併設されています。本は写真関係の書籍が多いのが特長かと思います。リトルプレスという視点だと、今回本シリーズ記事の中では少なめです。でも、この空間にいると「なにか作りたく」なるような気持ちにまります。そして、そのヒントになる本や表現(ギャラリー)がそろっている。まとめると、正統派の「今」を感じさせるアート書店という印象でした。アートについて、もっと学ばないといけないな、という気持ちになりました。

…アート(クリエイティヴ)な表現には良く「感性」が大事という。それはもちろ、正しい。でも、忘れてはいけない。同じくらい大事なのが「過去から学ぶこと」。その方法としての「本」を読むことは大切にしたい…これを軽視してはいけない。NADiff A/P/A/R/Tに来ると、本で学ぶアートの大事さ(そして、楽しみ!)がわかる。

ishikawa
Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)
東京都渋谷区恵比寿1-18-4
営業時間:12:00-20:00/無休

http://www.nadiff.com/

 

 

 

NEWS

NEWS No.16076-4「pass:age support surfaceの世界展」

2016.12.13

surpportsurface
NUMERO DEUX NEWS 1675-4 札幌のアートなニュース。

服の持つメディア性。
新しいステップを持った服。

映画「さらば青春の光」では、モッズとロッカーズが対立が描かれる。両者はファッションも違う。フード付きの軍用コートと革ジャンパー。つまり、服装が一番わかりやすく、彼らの立ち位置や思想を示している。そう考えると服装は「メディア」だと考えられる。この例だけではなく「ファッション」は常にメディアであった。最近はファッションは少し元気がない。ファストファッションは僕は否定はしない。でも、そこにはどうもメディア性が感じられない。今は、自分の立ち位置や思想は服装で示さなくても良くなった。なぜならSNSのアカウントを入手して、自分の好きなグループや仲間を「検索」すればいい。そこに服装のメディア性は不要。では、もう「メディア」としての服は成立しないのだろうか?

研壁宣男(すりかべ・のりお)はファッションデザイナー。1966年岐阜県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。在学中より受賞歴あり。イタリアに渡りミラノのセレクトショップ「10 CORSO COMO」にてオリジナルブランド“NN STUDIO”のチーフデザイナーを務める。その後も数々の活躍を経て1999年よりブランドsupport surfaceを立ち上げて国内外に展開をおこなっている。今回そのアイテムの展示がおこなわれた。北海道ではなかなか現物を見られない。貴重な機会だったと思う。

support surfaceの服を直にみる。魅力的なセンスに加えて、僕が感じたのは「優しさ」。それは、和と洋の服装の利点を活かした「着やすさ」を追求したデザイン。そこから伝わるものかもしれない。そう、服装の「新しいメディア性」が感じられた。鋭い、尖った個性というよりも、着る人のことを考え、確かなコンセプトから生まれたデザイン、そこからにじみ出る「優しさ」。その服を着る人への信頼感と安心感。僕は思う。これからの服は他者へのメディア性をもちつつ、着る人への気分にも影響(人生)を与える…そんな、服が昔からもっていた機能…でも、今どこか忘れがちなまところを、思い出させる服であって欲しい。それは(積極的に)「着てみたい!」という気持ちにさせる服が嬉しい。support surfaceにはそれがある。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「pass:age   support surfaceの世界展」
会 期:2016年10月20日(木)〜12月6日(火)11:00~19:00(最終日17:00)
会 場:グランビスタギャラリー サッポロ(北1西4 札幌グランドホテル1階ロビー内)
http://www.supportsurface.jp/

NEWS

SAPPORO GUIDE+ No.012 「札幌三越。僕とデパート。3つの条件」 

2016.12.10

Sapporo-Mitsukoshi01
SAPPORO GUIDE+  No.012 札幌を<初めて楽しく>アートに歩くガイド。

 No.012 「札幌三越。僕とデパート。3つの条件」 ————————————————–

さて、札幌のまちに、はじめて旅行等で訪れて、文化的に楽しく歩くガイドの12回目。前回は札幌郊外にある科学館を紹介してみましたSAPPORO GUIDE+  No.011 「札幌市青少年科学館。中年でもOK」今回は、少し変わった感じで、札幌にあるデパートを紹介してみましょう。といっても、地元のデパートではなく、東京拠点である老舗デパート三越の地方店舗である札幌三越のことです。

札幌の地元デパートというと丸井今井がある。それも、いつか書きたいところ。でも今回は札幌三越にしたい。札幌に訪れる人へのガイドとしては不適当な感じだけど、今回は口調を少し変えてみよう。札幌に住むある人間のひとつの印象として、デパートという存在について書いてみようと思う。

なぜ、札幌三越か?その理由は説明しよう。僕が一番に想う「デパート」には、心に残る3つの条件がある。それは(1)生まれた時からあって(2)現在もあって(3)あまり変わっていない。それが、僕にとって札幌三越である。そして、僕が「最初に」イメージする「デパート」なのだ。

異論はあるかもしれない、この連載記事が札幌のガイドなら、丸井今井があるだろう?と。ただ、僕の中では丸井今井は先の条件の(3)にしっくりこない気持ちだ。いろいろな経営の変化。そしてメンズ館に行くたびに気がするのだ。ただ、それは優劣の問題ではないということは、あらかじめ言っておきたい。僕の心の中の「デパートらしさ」の定義についてなのだ。

では、僕は「三越派」なのかというと、実は全然違う。札幌に育った僕としてはデパートといえば母親が「丸井さん」と呼ぶくらい、丸井今井に思い入れがある。そういった方はこの地には多いかと思う。地元に愛されているデパートだと思う。

子供のころ、僕の家では休日デパートに行くとなれば、丸井今井に行った。買物をして上階の食堂でごはんを食べたり、屋上の遊具で遊んだ記憶がある。その頃は、駅前にはそごうデパート(現在はエスタ・ビックカメラ)、五番館(現在は札幌西武空き地)があった。

札幌三越は行った記憶はあまりない。ここを意識し始めたのは、自分で服を買うようになった時。興味あるブランドのお店があるから、という理由で行ったのが最初だと思う。アニエスベーだと思う。懐かしい。そういえば、このブランドの服はもう一枚も持ってない。そんな経過が不思議な感じがする。

話を戻そう。では、なぜ三越を一番に想うのかといえば先の3つの要件をクリアーしたことによって、僕のイメージする「デパートの存在感」があるのだ。自分のとってのデパートの定義が札幌三越に感じる。僕が学生の頃は、札幌三越の道路を挟み札幌パルコがあり、斜めには地元のファッションビル4丁目プラザがあって、札幌のファッションのお店の中心地であったと思う。しかし、札幌駅が改装され、多くのテナントが入り、デパートの大丸ができて、ビックカメラのような大型電器店ができて、今買物の中心は札幌駅前が中心になっている。正直、大丸に初めて行った時、これがデパートなのかなと思った。天井の高い空間、利便性の高い複数のエスカレーター、充実したレストランフロア。でも、ここは僕が生また時からあった訳じゃない。だから3つの条件をクリアできない。

僕は今は時々、札幌三越に行く。ここには天井も高くないし、フロアも広くない。でもコンパクトの良さもある。フロアがみやすい。僕は9階でゆったりと腕時計を見たり、同じフロアにあるレストラン「ランドマーク」に行くことがある。このお店は隠れた名店だと思う。利用しやすく、落ち着いている。少し前にリニューアルしたデパ地下のお店も魅力的だ。ジョアンもあるしね。

札幌三越。僕の心の歴史の中で、いつのまにか気になる存在になっていった。これからも、大きく変わらず存在して欲しい。僕の考える最初のデパートなのだから。以上、札幌地元民の長めのつぶやき。あなたのデパートはどこ?

ishikawa

Text by アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

札幌三越
札幌市中央区南1条西3丁目8
午前10時~午後7時
但し、本館2階から地下2階、および北館は、午後7時30分まで。

http://mitsukoshi.mistore.jp/store/sapporo/index.html

 

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