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NEWS No.16070「アートフェア札幌2016」

2016.11.20

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NUMERO DEUX NEWS 1670 
札幌のアートなニュース。

年末。来年のあなたのために、
「アートのプレゼント」のご提案。

年末ですね。クリスマス、忘年会、お正月。いろいろなイベント。その中で贈り物も多い時期。愛する人へ、お世話になった方へ。そして、自分へのご褒美にも!いかがでしょう?自分へのプレゼント。では何を?ここで僕に提案があります。それに「アート作品はいかが?」。こう書くとなかなかハードルを高く感じる方もいるかと。でも、この場を借りて僕に「自分へのプレゼントとしてのアート作品」について、プレゼンさせてください。

まず、アート作品を買うメリット。それは古くならない、壊れない、ということです。最新のモノもあっという間に古くなる今。そんな中でアート作品は古くなりません。長持ちもします。電気も使いません(例外はあるかもしれませんが!)。壊れることもありません。そして、あなたの心を豊かにしてくれます。悪くないと思いませんか。「でも、どこで見て、買えばいいの?」。札幌にも画廊や、デパート等でアート作品の取り扱いはあります。でも、これは最初は敷居が高い。僕もそう思います。

そこで、おすすめするのが今回のアートフェア札幌2016です。これは週末の2日間、札幌中心部にあるホテルの客室はギャラリーとなって。そこで国内外のアート作品を展示・販売するスペシャルなイベントです。詳しく以下紹介していきましょう。

国内外にある18のギャラリーが、クロスホテル札幌の客室で展示販売。4年目の今年は、アーティスト達がアジアでデビューするきっかけづくりを行う注目のアートイベント「UNKNOWN ASIA」(大阪〜アジア)が初めて特別出展。アート好きな人はもちろん、アートに詳しくない人でも気軽に来て、お気に入りのアート作品を探すことができます。また、会期中に、トークイベント、ライブペインティング、音楽ライブ等のイベントも開催。「アート保育園」を特設され、小さなお子様連れの場合のサービスも用意されてます。ホテルのギャラリーは非日常的で楽しい。

種末、駅前・大通り方面におでかけの際に足を運んでみては。展示・販売とあわせて、開催されているイベントで興味のあるものも、のぞいてみてもいい。もしかしたら、自分のプレゼントにふさわしい、作品が見つかるかもしれません。見つからなかったとしても、ざまざまなアート作品を見ることは、あなたの気分転換になるかと思います。そして、この体験は今度「誰かに」アート作品をプレゼントするために必要な体験になるでしょう。

そして、最後に忘れてはいけないメリットは、アート作品を買うことは「アーティストを育てる」ことなんです。作品を買った瞬間にあなたは、アーティストの貴重な援助者であり、札幌のアートシーンの盛り上げ役になるのです。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

アートフェア札幌2016
会期:2016年11月26日(土)11:00〜20:00、27日(日)11:00〜19:00
入場料:1,000円(デポジット制=作品購入者には入場料を返金)
会場:クロスホテル札幌(北2条西2)
オフィシャルサイト:http://www.artsapporo.jp/fair/

出展ギャラリー:上海/office339,ソウル/LeeSeoul Gallery,ニューヨーク・東京/hpgrp ,GALLERY,東京/EINSTEIN STUDIO,東京/LADギャラリー,東京/ギャラリーかわまつ,東京/Emigre Collection,東京/eitoeiko,東京/SORaC gallery in collaboration with Ai Kowada Gallery,京都/同時代ギャラリー,岐阜/ギャラリー水無月,大阪/YODギャラリー,福岡/ギャラリー MORYTA,函館/ギャラリー三日月,帯広/ギャラリー北舟,札幌/ギャラリー門馬,札幌/ハナアグラ,札幌/クラークギャラリー+SHIFT

 

 

NEWS

NEWS No.16069「磯優子展『祈りの細胞』」

2016.11.19

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NUMERO DEUX NEWS 1669 
札幌のアートなニュース。

「女性性」に関係して(いると思う)
僕が、ささやかに考えること。

僕のささやかな思考。社会の中で女性にはなぜだろう?、と考えさせることがある。ふとした瞬間に女性の、男性にはわかりにくいところを感じる。それは、問題だとか、困るとか、そういうネガティヴな話ではないよ。それは性別問題ではない。実際のそういったことは性別ではなく、個人の性格の問題だと僕はわかった。だから、そんなことは特に深く僕は考えたくはない。

僕が考えたいのは、男女間のもっと、軽やかに、そしてしっとりとした感触のある相違。結果としては、なんでもないけど、ちょっとしたプロセスの中で男女の相違。僕はそこに楽しく興味がある。最初はそれは何なのだろうと思った。最初は性別だとわからなかった。個性の問題なのか?いや、その人の職業なのか?と思考を進めるうちに、最後はそれは「性別ではないだろうか」という答にいきついた。そう考えるのが一番自然だったから。そんな、何気なく、そして深そうな男女の相違を僕は思考える。その体験は、記憶して、心にコレクションしていく。日々それは更新。僕はますます男女の、ちょっとした相違に興味を重ねていく。

磯優子(いそ ゆうこ)は1989年釧路生まれ・札幌在住。札幌大谷大学短期大学部 専攻科美術専攻 デザインコース修了。女性性をテーマにした作品を制作する。平面のデザインワークも行う。独自に研究を重ね、版画とCGの中間「グラフィック転写」という技法で作品を制作。女性10名の作家グループ文無商會スッテンテンに所属。多数のグループ展に参加。個展は今回で3回目となる。

本展示を見る。まず思ったのは先に書いた、僕が思う男女の相違について。そして、まず作品のひとつひとつが魅力的。アートとして美しいし、商業イラストでもビシッと使いたくなる格好よさ。ひとつひとつの線や色が、とてもなんとも気持ちが動く良さ。それを単に女性らしい、というところで簡単に理解してはいけない、そんな気がする。それは神を理解した、と思うごとくである。逆に、この線や色やフォルムはなぜ、女性らしさに表現として到達したのか?そんなことを深く深く考えたい。そして、CGを使った版画的技法。これは現代的でユニークで見どころになっている。

女性はデリケートな存在。センシティヴというよりデリケート。ただ、それは「男よりデリケート」という単純な比較論ではない。なぜなら、男性だってデリケートなところはある。女性の持つ多次元的な繊細を感じ取って、考えたい展覧会だと思った。本展示では、抽象的なグラフィックでありながら、非常に「生」の女性を感じ取ることができる。それは、ひとつの男女の相違の経験として、心にコレクションされていくだろう。本展示は、女性には特に共感を得られる内容だし、男性には女性を理解するために実にアート的でいい機会だと思う。足を運んでいただきたい。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「磯優子展『祈りの細胞』」
会期:2016年11月03日 ~ 2016年11月29日
平 日 12:00~24:00/日祝日 12:00~21:00 水曜定休
会場:CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス)(北1条西23)

NEWS

NEWS No.16068「齋藤周展『合図』」

2016.11.16

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NUMERO DEUX NEWS 1668 
札幌のアートなニュース。

齋藤周が、表現に取り組んだ、
もうひとつの「合図」

 

週末。観光客で賑わう二条市場を通り抜ける。視界に入るもの。道路、信号、人、お店の看板。様々な情報にあふれる。クラークギャラリーを目指す。階段を登る。展示会場には齋藤周が在廊していた。話をしてみる。今回の展示は 前回から、1年ぶりだということだ。たしかにそうかもしれない。「発表ペースを決めているのですか?」と聞いてみると「決めている訳ではないが、年に一度はやりたい」という気持ちだそうだ。逆に発表したいときにやる、というスタイルは馴染まないらしい。それだと、できなくなりそうだと言う。なるほど。その気持ちはわかる感じはした。自由なクリエイティヴにも、なんらかの区切りは必要ということだろうか。また、齋藤周にとって展示とは、友人や知り合いに自分の今を知らせる意味もあるようだ。そう考えると1年に一度は良いスペースだと思う。

本展示のテーマは「合図」(=言葉以外の伝達手段)。この意味は一般的には、社会的に決められたもの。それは、生活や仕事をするうえで明確に決められたものである。例えば、陸上競技におけるピストル音。それはスタートの「合図」。しかし、この展示の合図はその意味とは異なる。齋藤周がみつけた合図とは、社会的決められていない、パーソナルのもの。例えば、仕事場でふと前から積み重なっていた書類が目に入って、それになにかをふと思う。それを何かの「合図」と感じとることである。

これも、僕も凄くわかる。意味としては「直感」のニュアスンスに近いが、先に書いた例にように「前から積み重なっていた書類」から、感じ取るという部分が純粋な直感とは異なる。なにかに「合図」をもらったのだ。このもうひとつの「合図」はなんだか難しい話のように思える。しかし、実はわたしたちみんなが、なにげない日常で体験している。この合図を軽く意識的に、時には無意識的に受け取って行動が決められる。そんなこともあるかと思う。僕たちの日々は理屈と社会的ルールだけで動いているいる訳ではない。

本展示の齋藤周が注目した、もうひとつの「合図」。それを視覚化した作品が展示されている。作品をみていると、なぜか僕は楽しい気分になった。その理由は、多分、この「合図」には自分に多く共感があり、それがアート作品となっているおもしろさ。そして、人が理屈や決められたルールだけで動いていない事実。そのことに僕は実にホッとする。齋藤周が描いた「合図」をあなたにも体験して欲しい。そして、明日の僕はどんな「合図」を受け取るだろう?

Text by
アート・メディアライター
石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「齋藤周展『合図』」
会期:2016年11月4日~30日/11:00~19:00(月曜日・第三火曜日休廊)
会場:クラークギャラリー+SHIFT(南3東2 MUSEUM2階)

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