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NEWS No.16056「市川義一「一日一手」展」

2016.10.05

ichikawa
NUMERO DEUX NEWS 16056 
札幌のアートなニュース。

「続ける」という最高の創造力。
僕も続けたい。

クリエイティヴは時に「点」という誤解があると思っている。僕は「線」だと思っている。放射状の線のイメージ。線は時間軸であり未来につながる。それは優れた表現は長く残り、愛されることを意味する。それは続くこと。僕は「続ける」という言葉が好き。大いなる、憧れでもある。「続ける」というのはなんと素晴らしいことだろう。しみじみ思う。ノイズの多い人生の日々。その中で、なにかクリエイティヴなことを、自分のために「続ける」。それはとても美しい行為だと思うのだ。そして、それは大変難しい。

市川義一は 1943年東京生まれのグラフィックデザイナー。1974 年より札幌を拠点に活動している。市川は2012年のカンファレンスイベントTEDにてスピーカーが話していた「30 日チャレンジ」(自分の人生に加えたいと思っていたことを取り上げ、それを 30 日間 試しにやってみる)に興味を持った。そして、自身の左手をモチーフにした平面作品の制作をスタート。30 日経ったあとも継続することを決め、書き上げた「左手の作品」は 1500 枚を超えた。今回の展示では、2015 年 5 月 21 日から 2016 年 7 月 31 日までの1,532 枚を展示販売をおこなった。

会場に入ると、壁面のほとんどを埋めるその作品数に圧倒される。もちろん、個々の作品もユーモラスな心情を描かれていて素晴らしい。そして、これが2年以上毎日「続けた」結果というところに、僕は一番感動する。本当に「続ける」は美しい。僕の目標にしたいクリエイティヴがここにはある。

会場はグランビスタギャラリーサッポロ。市内中心部にある老舗ホテル「札幌グランドホテル」内にある本ホテルが運営するギャラリー。2013年にオープン。場所は1Fメインロビー内の目立つ場所にあり行きやすい。ホテルを訪れる多くの人に自由にデザインや芸術文化に触れてもらい、ホテルを介して地域と市民、文化の新たな繋がりを創造し、市民生活への貢献を図っている。こうした、独立したギャラリーのあるホテルは札幌では他にみられないと思う。宿泊客だけではなく、市内に住む人にも魅力的なアート・スポットである。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「市川義一「一日一手」展」
会 期:2016年8月18日(木)〜9月6日(火)11:00~19:00(最終日17:00まで)
会 場:グランビスタギャラリー サッポロ(北1西4 札幌グランドホテル1階ロビー内)
記念トーク&レセプション:8月18日(木)18:30~20:30http://www.grand1934.com

NEWS

NEWS No.16055「撮りフェス2016 in 室蘭 写真展」

2016.10.02

p1
NUMERO DEUX NEWS 16055 
札幌のアートなニュース。

今回は、写真展のお知らせと、
個人的に嬉しいお知らせ。

前回の記事で紹介した9月に開催された撮りフェス2016 in 室蘭。現在、10月末の審査待ちでありますが、参加者が出品した全作品が旧室蘭駅舎に展示されています。僕も2作品ほど出品してます。その写真展の広報として、JR東室蘭駅の改札口では現在、写真展の宣伝ポスターが張られています。それには、9点ほどの出品作品が使われているのですが、その中に僕が出品された作品が、使われました。それが上の写真です。これはフェス2日目の朝に撮影した作品。室蘭の公設市場の近くにある場外市場で、野菜を売っているおじさんの写真です。撮影時のエピソードを書いてみます。▼がオリジナルです。

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「写真を撮らせていただけますか?」という急なお願いを快く受けていただいた野菜売りのおじさん。日曜の朝に撮らせていただきました。おじさんはこのお仕事50以上年というベテラン。自分の作った野菜のほか、買い付けたおすすめの野菜をこの場所で売っているという。いろいろお話をするとおじさんは、お酒が飲めなくて、大の珈琲好きとのこと。なんという僕の共通点!そのお話で大いに盛り上がりました。普段、野菜は外で販売しているのですが、当日は急な雨で室内倉庫の撮影になりました。でも、そのおかげで、あまりお仕事の邪魔にならずに撮影できました。いろいろオーダーしたテイクを撮りました。でも、結果的に一番自然な笑顔の作品を出品しました。

今回、写真展の広報に自分の作品が使われたのは、受賞したくらい嬉しいものです。宣伝として有用だと判断してもらえたなら、とっても光栄です。

写真展
▲  展示会場の様子です。

展示会場はJR室蘭駅そばにある観光スポット、旧室蘭駅舎。そのスペースを利用して、A4サイズに出力された全応募作品を見ることができる。最初から順番に見ていると、撮影する人によっていろいろなテーマの捉え方があるなと感じました。また、撮影場所や撮影の状況をいろいろ想像してみるのも楽しいものです。会場には足を運べない方も、撮りフェス専用、Facebookinstragramで、全作品を見ることができます。良い作品があったら「いいね」をしてみてください。それをもとにした賞もあるようです。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「撮りフェス2016 in 室蘭 写真展」
日  時: 2016年9月18日(土)〜 10月10日(月・祝)
開催場所:旧室蘭駅舎(室蘭市海岸町1丁目5番1号)
http://www.tori-fes.com
Facebook
instragram

 

NEWS

NEWS No.16054「撮りフェス2016 in 室蘭」

2016.10.02

torifesp
NUMERO DEUX NEWS 16054 
札幌のアートなニュース。

新しい北海道の「フェス」。
それは、スマホでも参加できる「24時間滞在型写真コンテスト」

「写真を撮る」。それは誰もがやりやすい表現。特にケータイにカメラ機能がついてから、凄く状況は変わった。それ以前は行事等の特別な理由がなければ「カメラを日常で持ち歩く」というのはプロか一部の趣味の人だけだった。しかし、携帯電話という毎日持ち歩くものに「カメラ」が内蔵されることによって、いつでも「フォトグラファー」に変身できるようになった。それによって、歩いていて、ふとキレイに感じた風景、友人や家族との楽しい瞬間を「撮る」ことができるようになった。それだけではない。インターネットにアクセスしやすいスマートフォンの登場によって、SNS等のサービスを利用して世界中に発表するのも簡単になった。

今回紹介する今年初回のフェス型の写真のコンテストでは、ケータイやスマートフォンでの参加もできる。そんな参加条件を読んで最初に書いた時代の流れを感じた。

9月に撮りフェス2016 in 室蘭が開催された。僕も参加したので、紹介も兼ねて記事を書く。本フェスの要点は、決められた週末の24時間を使って室蘭の魅力的な写真を撮るコンテスト。参加条件は特になく、使用機材も銀塩カメラ、デジカメはもちろん、スマートフォンやケータイでも可。一人につき3点まで出品できる。参加料2000円。参加者は200名となっている。審査員は室蘭の市長、商工会議所会頭、観光協会会長のほか、ゲスト審査委員としてアートディレクター、編集者、カメラマン。優勝者は10万円+景品(その他の賞もあり)。応募された写真はすべて、展示会やSNSサービス上でアップされる。

以下、参加からのレポート書いてみます。

参加申し込みはネットでおこなう。すると、資料等が送付されてくる。当日は本フェス運営本部のある旧室蘭駅舎(無料の駐車場あり)で13時より正式のエントリー受付開始。この時に参加料も支払う。会場には、本フェスのTシャツを着たスタッフがいて親切に対応してもらった。参加者は男性が多く、年齢層も高めに感じた。わりとキャリアの高い写真趣味の方々との印象。もちろん女性や若者の姿もあった。

14:30分より開会式。主催者の挨拶等があった。それが終わるのが土曜15時ころ。その時間が撮影スタート時間。翌日日曜の15時までに撮影した写真が応募の条件となる。開会式では「プレミアスポット」の抽選会もおこなわわれた。これは、本フェスのために特別に撮影を許可された場所「工場地帯」「地球岬」「白鳥大橋」等の撮影希望者にむけたものである。

参加者のサービスとして道南バスの無料パスも希望者に用意された。これは、車のない参加者には大きな特典かと思う。正直、市内は車がないと不便な点もあると思うけど、あらかじめ撮影テーマやスポットをネット等で調べておけば、それほど車のないデメリットはないと僕は感じる。鉄道とバスでも室蘭は楽しめる。

僕はある程度、撮影コンセプトをしぼって考えていたので、開会式後、2時間程度で撮影し土曜の撮影を終わり。日曜の朝1時間程度にもうひとつの撮影をおこなった。その日は雨がふってあせりました。撮影の仕方はいろいろあると思う。スマホ片手に、室蘭観光を楽しみながら、たくさんのパターンを撮ってみて、いいのを出品、というのもいいかと思います。

撮りフェス

本フェスは、サイトやポスターのデザインがとてもしっかりして好き。開会式で挨拶をいただいた主催の方は、室蘭出身で今は東京のCM制作会社のプロデューサー。広報は東京電通。なるほどと思う。こうしたイベントのアートディレクションは、とっても大切だと思う。その点、長く愛されるデザインがされていると感じました。

作品の出品方法は、撮影日時・作品対象・撮影等を記載したシートと、銀塩カメラはA4に焼いたものを。デジカメはデーターを運営本部の用意したUSBメモリに(運営本部にあるPCを使って作業する)。スマートフォン、ケータイの場合は指定されたメールアドレスにデーターを送る。提出期限は、原則日曜の9時までに土曜撮影分。日曜の15時までに日曜撮影分となっている。日曜の15:30分より審査員による作品講評と閉会式がおこなわれた。

審査結果は10月下旬に発表予定。応募された作品は旧室蘭駅舎にて9月18日〜10月10日まで展示。および、本フェスのFacebook instragramの専用ページにも応募全作品がアップされ、自由に見ることができる。

本フェスの感想としては、スマホでも参加できて、撮影テーマの自由度が高い、ところ。期間中、室蘭で撮影されたものならオッケーなのだから。もちろん「室蘭の魅力」を意識しないといけないけど、それは今までのイメージにとらわれないパーソナルなものがあってもいいと思う。それが「表現」というものだから。興味があればぜひ、参加して欲しい。

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▲ たくさんのスタッフの方が、がんばっていました。
(これの参加者用Tシャツもあってもいいな)

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「24時間滞在型フォトコンテスト『撮りフェス in 室蘭』」
開催日時: 2016年9月17日(土)15:00 〜 9月18日(日)15:00
開催場所: 室蘭市全域/運営本部は室蘭観光協会(北海道室蘭市海岸町1-5-1)
審査員: 青山剛(室蘭市市長)、栗林和徳(室蘭商工会議所会頭)、石橋博信(室蘭観光協会会長)、葛西薫(アートディレクター)、藤井保(カメラマン)、辻佐織(カメラマン)、山岸伸(カメラマン)、山口一彦(カメラマン)、姫野希美( 編集者)
主催: 撮りフェス in 室蘭 実行委員会
後援: 室蘭市
http://www.tori-fes.com
Facebook
instragram

 

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