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NEWS No.16053「文化庁メディア芸術祭札幌展『ココロ・つなぐ・キカイ』」

2016.09.28

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NUMERO DEUX NEWS 16053 札幌のアートなニュース。

定義と理解。
定義を知っていると、より楽しめる。

スーパーに買い物行った。今、小中学校等で、電子メディアであるゲームやスマートフォンを児童・生徒が控えるように指導することを「アウトメディア」というそうです。それは紙の学級通信に書かれていました。スーパーの買ったものを袋詰めするコーナーにあったのです。僕は、こうしたコーナーは、いろいろな情報発信の場になっているのが好きです。それで、へーと思ったのです。

「メディア」という言葉は動いてる。いろんな使われ方をしています。この記事を紹介するのに必要な用語について、説明してみます。文化庁メディア芸術祭というのがあります。「文化庁」と「祭」はイメージしやすいかと思います。最初の「メディア芸術」という部分でピンと来る方は少ないと思います。メディア芸術って何?

ここで、苦手意識は持たないほうがいい。解決は簡単です。その定義を知ればいい。上記サイトを読むと「メディア芸術」とは「旧来の文学や音楽、美術とは別に『映画、マンガ、アニメーション及びコンピュータその他電子機器等を利用した芸術』」というそうです。この定義を知っていればいいのです。準備はオッケーです。

なんかくどくど書きましたが、芸術を楽しく理解していくのは自由な感性に加えて、こうした定義を憶えておくのが、大事なことだと僕は思ってます(そして、定義を壊したいなら、定義を知らないといけません)。メディア芸術という定義を頭に入れたうえで、本展示をみると、印象だいぶ違うと思うのです。より、楽しめると思うのです。

本展示で紹介されている、映画、マンガ、アニメーションは知っているものもあるかもしれない。でも、それを「メディア芸術」という「定義」で考えてみるのがおもしろいと思う。そこで、自分なりの解釈をしてみる。日本の芸術という部分を考えてみる。今のアートは作品と解釈で作られていく。そして、過去にアートでなかったのがアートと「定義」されていく。これからアートを発展させるのには「観る側」のセンスも大切だと思う。それに参加してみてはどうだろう。

★本展示の関連企画として9月30日(金)16時から同じファクトリーにある映画館ユナイテッド・シネマ札幌で『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』の上映会あり。現在無料入場券(枚数制限あり)を展示会場であるファクトリーアトリウムのインフォメーションで配布中。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「文化庁メディア芸術祭札幌展『ココロ・つなぐ・キカイ』」
日 程:2016年09月16日(金)〜2016年09月30日(金)10:00 – 18:00
入場料:無料
会 場:サッポロファクトリー(北2条東3)他
http://mediaarts-sapporo.com/

 

 

 

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NEWS No.16052「飛生芸術祭 2016 TOBIU CAMP」

2016.09.21

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NUMERO DEUX NEWS 16052 札幌のアートなニュース。

6回目を迎える
TOBIU CAMPの魅力。それはスケール(規模)と森にある。

今「フェス」と呼ばれる野外イベントの人気は高い。その理由は人は「もの」より「体験」に価値を見いだす時代だからなのかもしれない。北海道オリジナルの魅了的な自然とアートと音楽をテーマにした魅力的な「フェス」を紹介しよう。

飛生芸術祭は2011年にスタート。毎年9月に開催。今年6回目を迎える。北海道白老町の旧飛生小学校を活用した共同アトリエ飛生アートコミュニティーが会場。そこに国内外から約 50 組の作家が参加。期間中の2日間はTOBIU CAMPというフェスが開催される。内容は音楽ライブ、ダンスパフォーマンス、アート展示、アーティスト・トーク。飲食の出店やキャンプ場も用意。アートと音楽の一夜を過ごせる内容となっている。

会場へのアクセスは札幌から車では一般道で2時間半ぐらい。高速を使えばもっと早い。会場へは36号線から入り、ほぼ直進なので、わかりやすい。無料の駐車場もある会場まで徒歩7分程度。高速バスとタクシー(10分程度)を使って行くこともできる。

TOBIU CAMPの魅力はリアルなアートや音楽のほかに、僕が一番に感じるのは気持ちのいい「スケール(規模)」感だ。会場の中心に旧小学校舎にはギャラリーやカフェがあり、グランドだった部分にはライブステージや飲食のお店がある。学校の裏に森を切り開いた小道にアート展示や、ちいさいステージが用意されている。会場と隣接してキャンプ場がある。会場はそれでほとんどすべて。フェスとしてはコンパクトな空間。

会場の内容と、そこに集る人がちょうどいいスケール(規模)なのだ。僕はここで、ライブを楽しんだり、芝生に座ってフードコーナーで買ったコーヒーを飲む。ギャラリーの展示を観に行ったり、森の中の散歩を楽しむ。日が暮れていく。ごはんを食べる。アーティストークを楽しむ。それらが実にゆったりと気持ち良く過ごせる。それは、本フェスのスケール感だから、得られる魅力だと思うのだ。この居心地の良さは、大型フェスでは難しいものではないか。

客層は20代〜30代がメインのようだが、家族連れで子供が多いのも目立った。ライブがおこなわれている中、子供たちがはじのほうでボール遊びをしていたり、ブランコに乗って歓声をあげている。そんな光景も凄くいい。夕方の時間には人形劇も登場。日が暮れる中、たくさんの子供が集っていた。本フェスが特に子供に向けているとは思えないけど、結果的に子供も居心地のいい空間になっていると思う。

この場所が元小学校だったというのもあって、フェスの雰囲気が森に囲まれた「自由な公園」という感じだからだと思う。森(自然)があって、アートと音楽がある。そして、それらを愛する人が集まる。それらが実にうまく調和して、実に北海道らしいフェスになっていると思う。興味があれば、ぜひ来年行ってみてほしい。森が待っている。

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▲ 元は小学校であるギャラリーからみえる外会場の様子は素敵。

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▲ 夕方、ライトアップされた作品と月がみえる。アートと自然。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

飛生芸術祭 2016
開催期間:2016 年 9 月 10 日(土)〜18 日(日) 入場無料
TOBIU CAMP 2016
開催日:2016 年 9 月 10 日(土)〜11 日(日)
開催時間:10日開場12:00/11日閉場14:00
チケット料金:前売 3,500円 / ウェブ前売予約 4,000円 / しらおい割前売 3,000円[白老町内取扱店のみ:限定枚数] / 当日 4,500 円 / 大学生 2,500 円 [メール予約の上、当日学生証掲示] / 高校生以下 無料[保護者同 伴のもと]★駐車場無料(会場まで徒歩約 7 分)

 

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NEWS No.16051「石井誠 大泉力也 『残響と共振』」

2016.09.16

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NUMERO DEUX NEWS 16051
札幌のアートなニュース。

『残響と共振』。
静かに生きている共感。

僕は人生をなんとか、生きていく方法を書いてみます。それは、は心の中に心地良いイメージを作ること。好きなのは「動いている静けさ」。止まっているより、動いているほうがいい。でも、激しいより静かなのがいい。でも、静かだけど止まってはいけない。そんなイメージが、ドタバタした日常の中で、ピンチな時に思い浮かべる。すると、少しだけ気持ちが落ち着く。そこに心の居場所を感じる。イメージを作ることが心のカフェなのかもしれないね。

それは、いつからだろうか?なぜだろうか?自問してみると、前者は、高校生くらいだろうか。後者は、難しいのだけど「静かに生きている」イメージが好きだからだと思う。表面的な激しさは、時に僕はうんざりさせる。静粛を愛している。そして、生きていることは時間があること。時間があることはストーリーがあることだと思う。そう、僕は「物語」があることが好きなのだ。そこには「生」があるから。残念ながら、そのイメージには具体的な形はない。その理由は簡単だ。僕はアーティストではないから。表現にすることができない。少し悲しい。

石井誠と 大泉力也 の2人のアーティトによる展示会が開催された。 ふたりは道都大学中島義博研究室にいた過去があり、今回は3度目の2人展となる。今回は卒業後10年目という節目だということだ。

「2人展」というのは緊張感のある展示になると思う。これが3人以上のグループ展だと、いろいろな展示が楽しめるという印象。だけど「2人展」はどこか対立的な目で観てしまう。そこで、しっくりこないとマイナスになる形態だと思うのだ。でも、本展示はひとつの会場の存在する2つの作品は実にしっくり「共存」していた。ここには、僕の好きな静けさの中に「かすかな動き」が感じられる。

それは僕の中で『残響と共振』という展示タイトルにもリンクしていく。そして僕の中に共感を生む。ここには、普段あいまいなまま内心に存在する「動いている静けさ」表現として存在している気がした。それは思い込みなのかもしれないけど、思い込みは生きて行く糧になるのだ。こうした体験があるからアートはおもしろいし、人生にとって意味がある。

 

 

会場のto ov cafe(ト・オン・カフェ)は、地下鉄中島公園駅から歩いて3分程度の場所にあるギャラリーカフェ。コンパクトな空間ながら、独立したギャラリー空間のある、しっかりとしたアートスペースとなっている。お茶を飲みながら、アートを楽しめる魅力のある空間だ。また、アートについてのレクチャーイベントも開催している。

Text by 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

「石井誠 大泉力也 「残響と共振」」
会期 : 2016年8月23日(火)~2016年9月4日(日)
会場:to ov cafe(ト・オン・カフェ)(南9条西3)

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