REVIEW

新キャプテンスカーレット

2008.06.07

Cs  ジェリーアンダーソン作品といってもピンとこないかもしれないですが「サンダーバードを作った人」というと通じるだろうか。僕はこのイギリス人プロデューサーの作品が大好きでちょこちょこDVDを集めている。
 一番メジャーである「サンダーバード」は、とても良くできている作品だと思うけど、同じ人形劇では67年の「キャプテン・スカーレット」のほうが好き。DVDBOXも買いました。
 本作は、人形の造形が「サンダーバード」より洗練されたけど、結果的にそれが冷たい感じに見えてしまったり、アクションが制限されたり、不死身の主人公という特異な設定。殺す、または破壊したものを自由にあやつる敵ミストロンというあたりが、災害救助というわかりやすいサンダーバードに比べるとあまり一般受けをしなかったかもしれない。
 僕はミッドセンチュリー感あふれる美術セット、文句なしにカッコ良いメカニックデザイン。ホワイト、ブルー、グリーンと隊員が色の名前を持つ防衛組織スペクトラムの設定。その中で音楽用語の名前を持つ、ディストニー、コンチェルトなど華麗な女性飛行チームの存在など魅力の光る作品である。
 それが05年にフルCG作品として復活。アニマックスで放映されたので観た。人形劇から2Dアニメ、ではなくフルCGのアニメというのがポイントである。本作CGでは立体感が非常に重視されていて、今の感覚で人形劇というのを考えた時にフルCGという結論になったのではないだろうか。
 本リメイクも、ほぼオリジナルに忠実なのも嬉しい。メカニックデザインはオリジナルのティストを持たせつつ一新していて文句無しにカッコいい。ストーリーも相変わらずな感じで、なんというかビシッと決まっている感じではなくて、微妙に脱力感のある話が味わいがある。それが賛否両論なのかもしれないけど。


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