「ハプニング」
シャマラン監督というと、僕は「シックスセンス」より「アンブレイカブル」しか観てないのです。後者のほうが好きなんですよね。
「シックスセンス」の大ヒットのおかげで「オチ」ばかり期待される監督になっているようで残念。でも「シックセンス」がなければ、続々とハリウッドで映画が撮れなかったかもしれないので監督としては悩みどころだと思う。
なんというか、今のハリウッドで活躍する監督の中で不思議な印象の映像を撮る監督ですよね。いかにもアート的なカッコ良さ、独特の構図はないのだけど、ドキュメント・タッチの映像の中で、ドライにサクサク場面が展開していくのが印象に残ります。映像はあんまりウェットな感じがしないです。
本作は「シックスセンス」のような、スッキリとした驚きはあまりない。オチを楽しむ映画というより「ハプニング」に遭遇した、主人公らの出会う出来事によるドラマになにかを感じていく感じ。そこに注目してみるのがいいと思います。
主人公も含めて、登場するキャラクターがどこか抜けたような人物ばかり、というのもおもしろい。そこを楽しめるかどうかが、ひとつのポイントなのではないのだろうか。
強力なリーダーも、プランもなく、それになんとなく流されるまま、人はバタバタと死んでいく。実際のパニックもこんなものかもしれない。
オチよりドラマ部分に注目してみてください。おもしさはそこにあります。