Film Review
「ジョン・カーペンターの要塞警察」(1976)
カーペンター、好きなんですが、名作本作は観てなくて。数年前にリメイクの「アサルト13 要塞警察」は劇場で観たよ。イーサン・ホークとローレンス・フィッシュバーンが出てました。それで、基本設定を知った。
引越で少数の職員しかいない手薄な警察署。そこがサイレンサー銃を駆使するストリートギャングに襲われる話。細かい部分は忘れた。そんだけ印象がない感じのリメイク。つまらなくはなかったけど。それは基本設定がいいからだろう。
さて、では34年前の元祖はと思い観てみると、おもしろい!これはおもしろいぞ。こういったアクションの古い作品はテンポ的にツライ場合があるけど、そのへんはバッチリ。低予算作品でもあると思うのだけど、演出と編集でうまくカバーしてる。お金より技術より、センスという見本がここにある。
隣家から500メートルは離れている孤立した小さな警察署の一夜。警察も、わずかな銃で反撃するが、死を恐れないストリートギャングは、ゾンビのように襲ってくる。アクションは決して派手ではないが、夜、電源と電話を落とされた署内でサイレンサー(消音銃)で、窓を壁をブチ抜いて襲われるところは迫力ある。このあたり、シーン自体は、シンプルなんだけと観る側にジワジワと感じさせる迫力があって観る側に想像させる。署内の人間は救援がくることを期待するが、気がつかれないシーンにもヤキモキ。今は、携帯ですぐ連絡かな。
また、ドラマのキモとしては、警察署に囚人がいて、その囚人とタッグを組んで、この事態に取り組むのも味のある設定。「ナポレオン」と呼ばれている紳士的で実力もある犯罪者がいい味を出している。
あと、監督自身によるシンセのサントラもかなりいい。これサントラ欲しいぐらい。