FilmReview
「仮面ライダー THE NEXT」
まずは、マズイ話から。映画に大切なポイントのひとつは最初のシーンだと思う。その点、本作はダメダメな感じがした。
引きこもりでアイドルオタクが怪奇現象に襲われるシーンなんだけど、それがなんともよろしくない。ジメジメした暗いシーンで、いや暗いのはまったくいいのだけど、そこはファンタジーな怖さというかホラーな演出が欲しかった。でも、このシーンは、ひきこもりの息子に対して食事を用意する母親という「家庭問題」を見せられるのは、こんな母親がきっと現実にいるんだろうなぁ、と想像させてただツライ。本当ツライ。僕なんの作品観ていたのかしら。「仮面ライダー」だよなぁ。この違和感は、ほかの静的なシーンにもあり最後まで違和感があった。違和感が、おもしろい意外性に転化してればいいのだけど、そうでもないんだよなぁ。
ただ!アクションシーンは最高。ホント凄い。ライダーの魅力いえば「バイク」と「格闘アクション」。これが迫力満点でキチンと描かれているのが素晴らしい。これがいいんだよなぁ。アクションのひとつひとつにキチンと考えてぬいて、洗練させていった印象があって好感がもてる。クリエイティブな愛がここにはある。
僕はオリジナルのライダーが持っていた「怪奇」のイメージは好きなので、本作の基本的なアイディアがいいと思う。ただ、ストーリーや演出がどこかで観たようなJホラー風味なのが残念。
本作はアクションはこのままのクオリティを維持しつつ、また意欲的なリメイクを期待したいなぁ。