NUMERO DEUX NEWS 16077-5 アートなニュース
表現は楽しい。小さくて大きい「紙メディアの世界」=リトルプレス
「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)」。
美術について考えさせる正統派のアートブックストア。
もう北海道は冬になってしまいました。雪が空を舞っています。
この記事は過ぎ去った夏の思い出の話です。
A.)いつもの前置き。
リトルプレスとは…個人や団体が制作から流通までを手がける小さな出版物。Zine(ジーン)ともいう。少し前なら、インディマガジンとかさらに昔はミニコミ誌とか呼ばれる種類のものかもしれない。もっと昔ならズバリ「自主制作」という感じですね。歳がばれるなぁ。意味合いはいろいろ変わっていく。「リトルプレス」のニュアンスは、規模さえ小さければテーマは自由。取材記事等のある雑誌ふうのものから、個人のアート作品に近いものまで幅広く感じる。
2016年9月。まだまだ暑かった都内。リトルプレスをあつかう魅力的なお店を8つ訪れてみた。た。8回に分けて、ひとつひとつ紹介していきたいと思う。最後のひとつ前。7回目です。前置きはこのへんで。すすみましょう。
B.)これまでの記事について、そして今回!
これまでの復習。初回はジュンク堂池袋店について書いた。2回目は同じく大型書店の代官山蔦屋書店について触れた。2つの「大型書店」の「未来」。その中でのリトルプレスという視点で続けてみた。3回目は、未来という部分を引き継いで今の書店のスタイルとして渋谷にあるユトレヒトを紹介した。4回目では「過去と未来」という視点で中野にあるタコシェを紹介。20年以上続いてるお店の魅力を書いた。そして、5回目では、リトルプレスを取り扱うだけではなく、様々な方法で「手助け」をする新しい形をもつお店MOUNT ZINEを紹介しました。それに続くように、クリエイターに優しげな視線をむけるお店ブックギャラリーポポタムを前回(6回目)紹介した。さて、今回は、恵比寿にあるNADiff A/P/A/R/Tである。ここのポイントは「今」を感じさせるアート書籍のある。本で勉強したくなる。空間でした。
C.)第7回目「NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)」。
さて、まずまず場所なんですが。恵比寿駅から歩いて10分程度で、道のりは静か。歩いていても気持ちいい。でも、わかりづらい印象です。中通の奥のほうにあるので、ひっこんでいる。でも、対策としては、サイトにある地図をよく見ればいいかと思います。このリンクの地図が一番わかりやすいかと思いました。
さて、お店の印象としては、アート好きにはたまらない空間という感じです。書店ですが、地下にギャラリーも併設されています。本は写真関係の書籍が多いのが特長かと思います。リトルプレスという視点だと、今回本シリーズ記事の中では少なめです。でも、この空間にいると「なにか作りたく」なるような気持ちにまります。そして、そのヒントになる本や表現(ギャラリー)がそろっている。まとめると、正統派の「今」を感じさせるアート書店という印象でした。アートについて、もっと学ばないといけないな、という気持ちになりました。
…アート(クリエイティヴ)な表現には良く「感性」が大事という。それはもちろ、正しい。でも、忘れてはいけない。同じくらい大事なのが「過去から学ぶこと」。その方法としての「本」を読むことは大切にしたい…これを軽視してはいけない。NADiff A/P/A/R/Tに来ると、本で学ぶアートの大事さ(そして、楽しみ!)がわかる。
Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
NADiff A/P/A/R/T(ナディッフ アパート)
東京都渋谷区恵比寿1-18-4
営業時間:12:00-20:00/無休
http://www.nadiff.com/