NUMERO DEUX NEWS
北海道人。北海道デザインのクラシック
といえば僕は栗谷川健一の一択である。
北海道は伝統的ないかにもな「日本的」が薄い町だと思う。
いつかのモダンだけが継続している北海道。永遠の薄いまち、都市性。
その「いつもニュートラル」を僕は愛する。
危なさを救っているのが栗谷川健一のデザイン。
近頃は外国からの観光客。北海道でもよくみかける。北海道という地憧れて、この北国を目指して来る外国人も多いようです。これには僕にはびっくり。北海道には外国人がイメージししやすい浮世絵、工芸品のよう日本伝統文化「ジャポニズム」は希薄。
僕は今もこれからもジャポニズムの魅力は日本の大きな財産だとは思っている。でも、北海道にはどうやら、旧来のジャポニズムとは距離を置いた魅力があるようだ。それは直線道路、畑、雪、素材を生かした料理…こららのひとつひとつは芸術でないが、それらから生まれる「らしさ」があり、それは北海「道」人の気質にもつながってい独自のイメージがつくられる。
栗谷川健一は明治44年生まれで1988年に亡くなった北海道のグラフィック・デザイナーである。この名前を知らなくても、札幌市下鉄東西線の駅や車内グラフィック、東豊線壁画、札幌中央図書館ステンドグラス、第一回雪まつりのポスター制作、そのほか多くの北海道をPRする観光ポスターを手がけている。北海道造形デザイン専門学校の創立者でもある。
栗谷川健一が描く北海道は、ジャポニズムとは距離を置いた、シンプルな自然の中の生活をイメージした魅力がある。ただ、地味になりがちな部分をポップに鮮やかなヴィジュアルがあって、楽しげなところが魅力だ。このポップなところは同じく冬が厳しく長い北欧デザインに通じるものが僕にはあるかと思うのだ。
僕は北海道の一般的なデザインは「ポップ」がいいと思う。
クール(寒さ)は間に合っている
「北国の空と風・雪と緑 栗谷川健一展」
日 時:2018年6月7日(木)18:30~20:30
会 場:グランビスタギャラリー サッポロ(北1西4 札幌グランドホテル1F)
Text by メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)