REPORT

「イベント制作は天気を読まない ハタモク北海道第32弾 胆振・室蘭版」 

2019.06.23

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▲  「きらん」(室蘭市生涯学習センター)。満員御礼の学生と社会人が集まった。
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メディアづくり・まちづくり・ひとづくり
NUMERO DEUX ニュメロデュー
Articles for you and me あなたと私のための記事

天気はいつも祈るばかり、
天気読みはできない、できることしよう。

今、「イベント」は
企画がはじまった時から「イベント」なのだ。
お客さんを「集める」のではなく「創造する」

僕は「ハタモク北海道第32弾 胆振・室蘭版」という社会人と学生が「働く」ことをテーマに交流するイベントの初の室蘭版の運営・制作に関わることになり、本番イベントのPRのために「室蘭ハタモクcafe」というミニイベントをおこなった。当日では、自分のメディアを紹介したり、グループのファシリテーターをした。

無事イベントは終わり、満員御礼で終わることができた。
その様子は本記事のテキストの合間に紹介していきたいと思う。

初回の学生さんなら無料、社会人でも500円とはなんと参加しやすいことか。これで半日の非日常な体験ができる。ハタモクは札幌拠点にいろいろな場所で開催されているので、機会があればぜひ足を運んでいただきたい。

ハタモクについては、詳しくは
以前の記事も参考にして欲しい。http://numerodeux.net/?p=19685

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02Hkato▲ 室蘭版運営の加藤あゆみさん。スタッフの佐野湧樹さん(室蘭工大)
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ハタモクを目指して
地域に出かけよう!

NPO法人ハタモク北海道のサイトでは最新情報がある。この記事を書いている時点では、網走にて7/27に開催されるようだ。https://sapporohatamoku.wixsite.com/index

自分住む場所の近所でなくてもいい、ハタモクのイベントの参加ついでにその地域を楽しんでみるのもおすすめだ。今回も室蘭版でも、わざわざ札幌や旭川から参加していただいた方もいた。

ハタモクついでに、その地域を楽しむ小旅行、
というのもハタモクっぽくていいのではないだろうか?

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Hnakano▲ NPO法人ハタモク北海道代表の中田さん。札幌からスタッフと室蘭へ
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熱いことと、
仕組みがあること

今回、この記事では、今回のハタモクを運営に関わってみて、イベント一般について考えたことを書いていきたい。ハタモクは「働く」という大切なテーマを、学生と社会人が平等な立場で話すというコンセプトの良さがいい。

それを実現するために、グループでおこなうキチンとしたプログラムがあって、かつファシリテーターが控えめに発言のバランスもとってくれるので、学生さんも参加しやすいと思う。

そして、今回の室蘭版ハタモクが多くの参加者で満員御礼を迎えられたのは、室蘭版ハタモクのリダーであった加藤あゆみさんのがんばりが大きい。時代が変わっても変わらないのは、クリエティヴな現場には「熱い人」が必要なのだ。

具体的には、彼女は室蘭ハタモクについては、宣伝はチラシはSNSなどの発信だけではなく、具体的に「お客さんになって欲しい」方々に直接声をかけ、動いていた。

どんなインターネットなどのツールが発達して便利になっても最後のカギは主催側の熱量なのだ。そんなことをあらためて思った。ただ、同時に「熱」とは違う「仕組みづくり」も大事になる。この2つがセットになって動いていくのが効果的だ。

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▲  僕はNUMERO DEUX paperを紹介させてもらった。
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イベントの過去
昭和な時代のイベント小話

今の時代。イベントの宣伝手段という方法情報発信はネットやSNSの発信というツールの登場で簡単になった。インターネット・ネイティヴな方には実感しづらいかもしれないが、ネット普及以前は、新聞、地元タウン情報誌、行政広報誌、ラジオ、チラシ配り、口コミである。

このうち、最初の4つについては、紹介してもらえるかは不確実だし、そのタイミングや内容も自分の要望どおりになるかもわからない。

イベントの今
インターネットは、敵か味方か?

では、インターネットによって、
イベントの宣伝は楽になったのだろうか? 答えはイエス。
では、イベントに人は集めやすくなったのだろうか? それはノーだと感じている

イベントの集客が難しくなっているのではないか、というのは25年前ぐらい前からイベントを企画している自分の実感である。それはなぜか、と考えれば、それにもインターネットにも関係していると思う。

つまり、インターネット・コミニュティの存在である。
イベントの意味性からその理由を書いていこう。

イベントに参加する目的は、それはコミニュケーションだと思う。交流イベントはまさにそうだし、展示やライブだって、そこにあるアート作品や、ミュージシャンを「メディア」としたコミニュケーションができた。

ネット以前には、自分の日常つまり学校や職場以外の関係性に身を置く、非日常を楽しむのが「イベント」であったと思う。

そういった非日常に興味のある人はアンテナを張ってメディアでのちいさなイベント情報や、カフェなどに置かれたチラシにきめ細かくチエックしてイベントに来てくれた。だから、僕自体は集客について、今に比べて凄く大変だったという記憶はない。

先に書いたメディアの情報掲載依頼をしたり、チラシを作って配ったり、住所がわかる人に案内のハガキを送ったりという地味な作業をしてイベントを本番を迎えた。

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▲  僕は参加者の発言量が、平等になるように一番気をつけました。
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インターネットは、
イベントの価値を相対的に

ところが、インターネットは、頼もしいイベントの宣伝ツールであると同時に、インターネット・コミニュティの存在は、イベントの集客に影響を与えるようになった。つまりイベントの集客力が相対的に減った。

なぜか、それはインターネット上で、家に出ることなく自分と気のあった人と交流できる仕組みである。ネット以前の人には想像しにくいかもしれないが、昔は部屋にいればひとりであった。

今のように部屋でひとりでも、ベッドの寝転がりながらスマホで気楽ネットでのやりとりを楽しむなんてことはできなかった。人とリアルタイムにコミニュケーションをとるには、唯一の電話があったが、それは不特定多数というのは考えにくいし、一対一のやりとりは気軽ではない感覚はあったと思う。

ところが、インターネットによって、自分の部屋にいながら、自分の趣味嗜好の会う人とコミニュケーションを楽しんだり、好きなアーティストの音楽やアートを楽しめるようになった、すると、わざわざイベントに足を運ぶ必要がなくなった。

僕はこの点は現在のインディペンデントなイベントに集客がむずかしい原因だと思っている。
もちろん、インフルエンサーがカギを握って、集客する、というのはアリだと思うが、僕はイベントはコンセプト(アイディア)だと思うんだ。

では、どうすればいいのか?
イベント企画者は、動くことがすでにイベントであり、
お客さんを創造する。

思うに、これまでのイベントとは、イベントが開催日が本番であり、本番前のPRというのは、本番を成功させるためのひとつの影の役割でしかなかった。

しかし、これからのイベントとは、イベントをやると決めた日からイベント本番と考えて制作に動くことだ、それはお客さんに宣伝をするこではなくて「お客さんをつくる」ということだ。

今回、ハタモク室蘭版のリーダーであり中心の加藤あゆみは決して、お金や特別なスキルでお客さんを作っていったわけではない。自分の企画を成功させるために、想いを伝えるために、たくさんの人に会うアポイントをとり、お客さんになって欲しい人に直接会って話した。

また、イベント本番日まで「室蘭ハタモクcafe」という無料で使用できる場所を利用してトークイベントをおこない、そこでも人にハタモクの魅力を語っていった。

つまり、「お客さん」を創造したのだ。
これからのイベントは、開催することが決まった時
からが「本番」なのだ。

 

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【第300回】ハタモク北海道第32弾 室蘭版
主催:NPO法人ハタモク北海道
日時:6月15日(土)13:30-16:30
(受付開始13:15~)
場所: きらん2階 多目的室2
(室蘭市中島町2丁目22-1 室蘭市生涯学習センター)
会費: 社会人500円/大学生・高校生無料(学生2回目以降参加100円)

 

Text by  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
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