本作は、リビアでのアメリカ在外公館襲撃事件(2012年)をベースにした作品。武装勢力の襲撃と戦う少数の(非公式な)アメリカ兵士の13時間の戦いのストーリー。監督は、娯楽大作のうまいマイケル・ベイ。本作にはさまざまな民族、政治問題が背景にある。そこをマイケル・ベイは、そんな「厳しさ」の中で、作中の兵士が「非公式」の存在であり、それを管理するCIAの施設も秘密、という部分をうまく使って(抽出して)。スリルのあるアクション映画をつくりあげた。そういった部分的捉え方は、現実をベースにした題材にした場合、批判もあると思う。でも、僕は劇中で繰り返し描かれる「誰が味方で、誰が敵だかわからない」という現代の「戦争」の恐ろしさは、リアルに感じた。落とし所としては基本的だけど、アクション映画としても良かったと思う。
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アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)