NEWS

NEWS No.180201「お金は一番大切か?〜 平成29年度室蘭工業大学市民懇談会 」(2)

2018.02.04

IMG_8764

平成29年度室蘭工業大学市民懇談会
僕が考えた事。3回にわたって書いていきます。
前回はここから。

お金は一番大切か?

お金はどこからくるのだろうか?僕は夢想することである。僕は働いている実感が少ないと思う。これは別に「遊んでいたらお金になってる」とかまったく違う。毎日、大変だ大変だと思いながら働いている。あー失敗もあったなぁとは感じてる。ただ、その結果として、お金をもらっている感じがしないのだ。月に一度振り込まれるお金。

ここ数年良く聞く「クラウドファンディング」を知っているだろうか。簡単にいえば、インターネットを使って自分のやりたいことについて発表して、お金を集めることである。単なる寄付ではなくて、出資した金額に応じた「お返し」が用意されていて、そこから選ぶ形になっている。クラウドファンディングはすべて個人で発信しておこなうことも可能だが、それを仲介をする専門会社によるインターネットサービスがあり、それを利用すると宣伝や集金手続きが容易になる。近年大きく注目されている。

さて本会議にて、学生の地域に対する取り組みについて紹介があった。それは、クラウドファンディングを利用して「イタンキ浜の清掃をして、鳴り砂を守っていきたい!」というプロジェクトである。

「イタンキ浜」は室蘭にある浜。室蘭は工業都市というイメージかと思いますが、実際は自然に見るべきものもいろいろあります。有名なのは「地球岬」です。でも、僕はより自然な感じのイタンキ浜も好きです。ここはよくサーファーの方もみかけます。海のまわりの断崖や山等が美しい場所です。イタンキ浜の鳴り砂とはこの砂を踏むとキュツキュッと音がすることから呼ばれています。

本クラウドファンディングは目標額には届かなかったようですが、清掃は実行されました。寄付をした人の中には清掃にも参加してくれた人もいたそうです。一定の成果もあり、今後の展開も考えているようです。主催した学生さんは友人の「なんかおもしろそう」という言葉に手応えを感じたそうです。この話は僕も好きです。みんな行動のためのキッカケを求めていると思う。

僕自身は、クラウドファンディングは素晴らしい仕組みであり、単なる集金ではなくて、新しいコミニュケーションや問題提起にもなると思っています。ただ、ひとつ個人的に思うのは、こういった仕組みが時には人間の行動原理にワナを仕掛けないかということです。ここでいうワナとはクラウドファンディングを提供するサービス会社のことではありません。私達の心から生まれるワナです。僕達はお金について、より複雑に考えないといけな時代に入っていると思うのです。お金を得る手段として「クラウドファンディング」という新しい方法とどう付き合うべきか、ということは、よく考えるべきだし、教育に盛り込んでいけないと思う。

僕は今の10〜20代の人は本当に大変だと思う。スマートフェンにSNSに、そしてクラウドファンディング…どれも僕の学生時代にはなかったものだ。そこには素晴らしさと同時に危険性も隠されている。いい大人がこれらを使って失敗するのはいいとして、まだ成長過程の彼らのは、失敗を批判する前にそうならないようにメディア・リテラシーを教示すべきだと思う。

お金というのは、これだけ一般性あるのに、すごくパーソナル(個人的)な問題でもある。それと付き合うのは、自分がしっかりとした意思を持つ必要がある。冒頭にお金について、ぼんやりとした実感を書いたが、これはこれで不完全ながら自分のスタイルだろ思っている。お金は大事なんだけど、それ意外のこととのバランスを取るのが大事。「お金」以外のことを考えると結果的に「お金」についてのポリシーもできあがるのと思う。なぜなら、お金自体はただの手段にすぎないのだから。お金が一番大切、という論理は合っているけど、矛盾もある。お金自体はただの交換ツールにすぎない。その使い方がその人になるのだ。

次回は、意見交換について(続く)  

ishikawa

Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

平成28年度室蘭工業大学市民懇談会
会期 : 2018年1月17日(水)
会場:室蘭工業大学

エビデンス

 

 

 

 

 


ARTICLE

CATEGORY

LATEST ENTRIES

ARCHIVES

CLASSIC CONTENTS

website design by shie sato

SAPPORO ART & DESIGN MAGAZINE NUMERO DEUX 札幌 アート&デザインマガジン ニュメロデュー

copyright @ NUMERO DEUX allrights reserved.
top