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NEWS No.181031「高橋喜代史 POSTER」

2018.10.31

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助けてもらうための「助け」が欲しい。
それはアナログな手法の中にもあると思う。

冗談ではなく、こういうことって多いと思う。
「助ける」ことも「助けられる」ことも、簡単で難しい。
そのパラドックスとメディア(媒体)のコトについて
僕は時々考える。

例えば日常を思い出す僕のよく使うアプリケーションソフトには、
「ヘルプ」とおうメニューがある。これがどうにもわかりにくい。
つかってもよくわからない。

なんでだろう

その「ヘルプ」も適当な感じではない。でも、わかりにくい。
自分が悪いのかなとも思う。文句というよりバツの悪い感じだ。

デジタルな世界にも灰色がある。助けられないこともある。
だって、人間が作ったものなのだから。

展示の高橋喜代史 のPOSTERは、日本語、英語、アラビア語で「助けて」と書いたポスターを街中に張る映像の記憶である。

世の中には当事者しか文句がいえない、という仕組みが多い。
でもね、いろいろな今の時代の社会的な出来事で、純粋に自分にまったく関係ないコトって、どれだけあるのだろうか?みんな当事者ではないか。

僕たちは当事者ではない(と窓口でいわれる)問題についても「考えたり」「意見を言う」ことが必要だと思う。いや、それはあるのかもしれない。僕たちは世界につながるインターネットをスマホという機械を手元に持ちながら、SNSの小さな世界に住みつつある。そこで意見を言い合う。でもね、それだけでは十分ではない。テクノロジーの進歩とメディアの幸福度はつながらない。

ややこしい、なぜか伝わりににくいモヤのかかった世の中。
リアル街中で高橋喜代史の「ポスターを張る」というアナログな方法は、
力強く明確。簡単に無視できない(流せない)インパクトがある。
ひとつの小さく大きなメディアの方法だと思う。
アートによって、大きな飛躍が生まれる。

デジタルでもアナログのどっちでもいい。
「伝える」方法をいろいろ選択して、表現していくのも
今のアートの役割だと思うのだ。

高橋喜代史の作品は、わかりやすく、力強いのがすごくいい。
僕の心には憧れに似た感情と、たしかな記憶が残る。

僕たちは、もっと助けられていい。
いろいろな形で。
助けないと、助けられないということは、
自分の鏡に刻んでおいておく必要がある。

「500m美術館Vol.26『最初にロゴス(言葉)ありき』」より
会期:会期 : 2018年4月27日(金)〜2018年6月27日(水)
会場:500m美術館(地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前駅間の地下コンコース内)

ishikawa
Text by
メディアリサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
〜アートとメディアについて考えて、書くのが好きです。

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NEWS No.181023「港 千尋 POROUS LIBRARY2018」

2018.10.23

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時には、承認要求を離れたい
もっと、僕は言葉で遊んでいいと思う。

今の発信されている言葉は真面目すぎる。

仕事の早い、メッセンジャー

それなら…
それは、僕たちの責任でもあるかと思う。
背負うのも大変です。歴史がね。

100年後のために発信する言葉、100年前にむけて発信する言葉
5次元を目指して発信することばが、あってもいい

デジタルとインターネット
その中で、あたり前に発信できるようになった時
僕たちは言葉で遊ばなくなってのではないだろうか。

遊んでるって? なんか緊張してませんか。
発信する時。

なぜだろうか。それは、
ことばが独立性を失ないかけているのだ。
ことばは自分の分身ばかりでなくて、もっと、インディペンデント
あっていいのだ。物語のある、ひとりで歩くことばがいい

港 千尋の大きく展示された言葉の持つ、
スケール感。立体的な感じに惹かれる
その立体感とは展示の方法ではなくて、ことば
そのものが、幅があってひろがっていく。
それが気持ちいいのだ。

ことばが」独立して、話しかける

私たちは、言葉を発する時、
相手も大事だけど、まず文化として言葉をつくる。
時には、承認要求を離れたい
ということも考える。言葉のはじめにね。

「500m美術館Vol.26『最初にロゴス(言葉)ありき』」より
会期:会期 : 2018年4月27日(金)〜2018年6月27日(水)
会場:500m美術館(地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前駅間の地下コンコース内)

ishikawa
Text by
メディアリサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
〜アートとメディアについて考えて、書くのが好きです。

 

 

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NEWS No.181021「TOLTA ポジティヴなことばのつみき」

2018.10.21

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ことばは、人を脅迫できるのだろうか?
ドアを開けると、ことばが立っているのか。
ある日、ことばからメッセセージがくるのか。

「ことば」さんからメッセージが届いています。

トマトの甘みが、昔より弱くなっているように、
「ことば」の味が薄くなっていく。

僕は言葉を恐れる
もっと、恐れたいと思う。ことばは限りのある資産である。

「ことば」は否定できなから、恐ろしいのである。

僕たちはことばに笑い、悲しみ、傷つく
言葉と行動をセットで積み重ねて、働き、お金をもらう
言葉で世の中はまわる

携帯電話や、インターネットがない
生活を選ぶことはできるかもしれない
でも「ことば」のない生活を選ぶのかなり難しい。

僕たちは、言葉をもっと「大切」につかわなければ
ならない。

TOLTA。ことばの作品である。
好きです。ことばがわかりやすいフォルムをまとって、
ガラスケースの中におさまっていた。

壁にある説明のプレートをみると、
「ポジティヴなことば」とは「人を前向きにさせる一方で、脅迫的な呪いのように感じさせるメッセージ」と命名したそうだ。

アートと言葉の関係性は、現代美術の大きなキーワードである。
アートを言葉で語るといいより、アートで言葉を語る
TOLTAの採集した「ポジティヴなことば」は、

自分の言葉であり、自分の行動原理ではないか。
僕はそう感じた。

「500m美術館Vol.26『最初にロゴス(言葉)ありき』」より
会期:会期 : 2018年4月27日(金)〜2018年6月27日(水)
会場:500m美術館(地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前駅間の地下コンコース内)

ishikawa
Text by  アート/メディア  リサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)
アートとメディアについて考えて、書くのが好きです。

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