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NEWS No.180619「サイコドラマcafe in ギャラリーHANA」

2018.06.19

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「サイコドラマ」を体験する!
自分を演じる。
自分を演じる他者を見る。

 

僕は毎日をなんとかやりすごす。それはやり直しのできないドラマの連続体。自分の生き方、考え方の集約と結論。そんな大事ことなのに自分の毎日「人生のドラマ」について考えることは、驚くほど少ない。考えるのは(ぼんやり)とした先のことばかり。「先が大事?」そのとおり。でも、実は自分の未来を作るのはふだんの行動や態度。だが、自分だけで自分をみつめる作業は難しい。自身について考えてみるいい方法はないだろうか?今回はそれをひとつ紹介しよう。

サイコドラマは国際集団精神療法学会の創始者でもある J.モレノによって開発された集団精神療法技法。即興劇のある心理的ワークショップ。でその目的は参加者個人の問題や、日常を見つめなおすことである。今回のワークショップ講師の前田 潤教授はサイコドラマについて30年以上のキャリアを持つベテラン。定期的にサイコドラマのワークショップを開催している。僕は今回はじめて参加してみた。僕は「心理」をテーマにしたワークショップに参加するのは初めて。これからその様子と感想を書いていきたい。

会場では椅子が円形に並べられ、参加者も講師もそれに座る。今回の参加者は5名。うち学生さんが2名、社会人が3名だった。講師にはアシスタントが1名。サイコドラマとは僕流にいうなら自分についてのちいさなドラマを演技するワークショップ。講師は「監督」。参加者は「俳優」兼「お客さん」。開始時間になるとただちにスタートした。

最初は簡単なオリエンテーションと、参加者の自己紹介。そして本編となる。いろいろなパターンがあるようだが、今回は小道具としてカラフルな布が用意されていた。そして、参加者ひとりひとりが「布」からなんらかの自分の出来事をイメージしてもらい、即興の「ドラマ」を演じる。役者は参加者。演技に迷えば講師の「監督」がアドバイスをしてくれる。そして、特徴的なのは自分の演技を他の参加者がコピーして演技することもある。その他、講師の指示によって、さまざまな視点のドラマが展開される。参加者は「役者」として演じることもあるし「観客」として他人のドラマを見ることもある。どちらも、日常にはないピリッとした体験である。

僕の感想は「自分のドラマ」について、普段は自分の内面だけで(なんとか)処理されているようなコトがある。それがサイコドラマによって客観的に(気分よく)認識できた。僕はこれにとっては、とても良い気分転換であった。自分の気持ちを自分の内面だけで処理するのはどうしても、無理に言い聞かせているようで、スッキリしない。深くは納得できない部分ができる。それをサイコドラマで演じることによって、他者が自分を演じること等を通して、スッと心に入ってきて自分の気持を処理できた。この心地良さが、僕にとってサイコドラマの魅力である。

本ワークショップは決して、劇的な転換を感じさせるものではない。でも、そのほうが信用できるし、優れたアート作品に出会ったような、気分の良さがあった。機会があれば体験する価値はあると思う。

「サイコドラマcafe」
日 時:2018年6月7日(木)18:30~20:30
参加費:2,000円(お菓子・お茶代含む)
定 員:12名
講 師:前田 潤(北海道室蘭工業大学 教授、臨床心理士)
※次回サイコドラマCafeの予定等については以下を参考にしてください。
講師前田潤教授のFacebook
https://www.facebook.com/jun.maeda.370

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Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

NEWS

NEWS No.180601「講演 廃校活用とアートプロジェクト」

2018.06.01

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残した後は?そこは「おいおい」ではダメではないか。
やる人が特定された「やることリスト」が必要。

円形校舎を見たことがあるだろうか?

僕は江別の小学校で見たことがある。文字通り校舎が丸いのである。
はじめて見た時は感動した。
みたことのない方は、一度ネットで円形校舎で検索していただきい。

なんとも、レトロ・フューチャーというか、クラシックでとてもいいデザインだと思う。
ありきたりの長方形の学校育ちの僕にはうらやましい。

室蘭には廃校になった円形校舎である旧絵鞆小学校がある。現在、それの今後のあり方が議論されている。取り壊すか、活用の道を探るのか。

それ関連イベントとして柴田尚教授の講演会が室蘭市内でおこなわれた。柴田教授は北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科教授であり、NPO法人S-AIR代表としてアーティスト・レジデンス活動を長年おこなっている。また、平成23年~26年度まで全国の廃校・旧校舎の芸術文化活用調査を実施した。その経験をふまえた講演がおこなわれた。

柴田教授は、全国の廃校利用のアートプロジェクトの紹介を通して、さまざまな「可能性」の話をしてくれたと僕は感じている。そして、その「可能性」をどうするかは、この地に住むわたしたち次第ではないかなと思う。魅力的な円形校舎を壊すより、残すがいい、という意見はわかりやすいし、通りもいい。では、残すとして「どう使うのか」というのは一番の問題となる。

それは実は「魂」の問題なのだ。残したとしよう。そこが市民会館のようなイベント貸しスペースになるとかだと、それは「魂」なき存在ではいのか。市民会館なら、いい。もともと、そういうものなのだから。でも、壊すものを残した時にそこがなんとなくの「貸しスペース」になるというのは、単なる延命措置になってしまう。

残してどうするのか? そこは「おいおい」ではダメではないか。
特定された市民の役割分担がだと思う。
「誰が」「いつ」「なにを」やるという「やることリスト」が必要なのだ。

そして、この校舎の活用には文化的観光業にシフトするための室蘭の未来への
カギがあるのだと思う。僕は行政主導よりも市民(民間)主導で維持・活用できれば
一番いいと思う。市民がお金をふくめてダイレクトに校舎を維持に参加することを集うのだ。
できれば「魂」が産まれる。

柴田さんのお話しの中で僕が一番印象に残ったのは、
「僕はどうも予算がないアートの企画を頼まれることが多くてね…」
というのだった。結果的に柴田さんはそんな企画をカタチにする。
だから、また頼まれる。この魂を学ぶのが一番大事だと思う。

旧絵鞆小学校の活用を考える講演・WS
柴田尚 講演 廃校活用とアートプロジェクト

期間:2018年3月17日(土)
会場:祝津町会館 2階ホール
主催:旧絵鞆小学校活用プロジェクト

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Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

NEWS

NEWS No.180526「いきものいんく写真展~野生動物×こどもたち~」

2018.05.25

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自然には、理屈ぬきの魅力がある。
それを大事にしたい。

僕は自然で遊ぶなら、観光サービス的なアクテビティはなくてもいい。気楽に歩きまわれる原始林や湖があれば十分だ。僕はそこで持参した保温ボトルのコーヒーを飲んだり、ポケットのスマートフォンで写真を撮る。それは記録を残す、というよりも目の前の自然の魅力を、そのどこを切り取るか、というメディア好きの僕なりの遊び。自然の中での編集作業。楽しいよ。ワークショップやりたいくらい。

「いきものいんく」は子供たちにいろいろな生きものに出会い、野生動物や環境問題について学ぶためのツアーや、キャンプを企画しているNPO法人。北海道伊達市が拠点。「自分のことは自分でする」たくましい子どもを育てるコンセプト。代表者の加藤康大は本NPO設立前は自然保護官補佐として支笏洞爺国立公園の管理業務をおこなっていた。その他、自然に関する豊富なキャリアを持っている。

会場にいた加藤氏と話をしてみた。ツアーやキャンプの中では子どもたちの自主性を最大限尊重するという。キャンプでのグループ決めなども子供たち主導やらせる。スタッフは少し距離を置いてサポートするという。そうすると、こどもたちは自主的にいろいろなことを決めていって、自然の中でさまざまな遊びを生み出していくという。

本写真展示はいきものいんくの活動の様子を撮影したもの。参加した多くの子どもたちのいきいきとした様子がわかる。写真が魅力的なのは、こどもたちの感じている楽しさと、もうひとつ理由がある。それは多くのプロカメラマンによって撮影されているからだ。だからクオリティが高い。そういった広報的な視点で観てみると、募集チラシやパンフレット、ウェブサイトもプロのデザイナーに発注されており広報に力を入れているのがわかる。その点は会場にいた加藤代表も意識していると語ってくれた。

プロのカメラマンやデザイナーに発注することは、お金がかかる。それなら宣伝なんかより、内容に力をいれたい…その理屈もわかる。ただ、意味や効果があるから写真やグラフィックで「伝える」プロが存在するのである。厳しい書き方だが、どんなに素晴らしい活動でも、伝われなければやってないと同じ。もちろん、宣伝ばかりもいけない訳で、本質はバランスの問題。そこの部分はいきものいんくのセンスはとてもいい。

いきものいんく。お子さんのいる方は、ぜひこれからいい季節の予定として参加を検討してみてはどうだろうか。大人の参加もできるプログラムもあるので、僕も機会あればぜひトライしてみたい。

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▲会場には、いきものいんくのデザインを行っている札幌のデザインユニット
rocketdesignも紹介もされていた。

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「いきものいんく写真展~野生動物×こどもたち~」
期間:2018年2月25日(土)~3月5日(日)
会場:洞爺湖ビジターセンター(北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142−5)
主催:Npo法人 いきものいんく

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Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

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