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NEWS No.17061-7「MACHINAKA ART-X_edition vol.26「超日本」展 」

2017.12.30

sjapan

年末年始。日本の伝統アートの持つ強さ、
知ってみよう。

ネットを楽しみ、コンビニエンスストアの前を通る日常。その中ではどうも「日本の伝統文化芸術」は意識しづらい。でも年末年始はなんとなくそれを感じる時期ではないか。

仕事納めの後から、三が日のぼんやりとした時間。そこで思うのは「日本の伝統文化芸術」は、想像以上に海外に評価されている日本の「資産」ということだ。でも、それを意識することは少ない。どちらかとえば、自動車や電気製品、IT企業等などの「モノ(技術)づくり」の国という印象ではないか。たしかにコミックやアニメーションを中心としたポップ・カルチャーが海外で受けている、という断片的な情報を耳にする。また、京都は外国人から人気が高い、ということも。でも、僕達はどこかピンときていないのではないか。

本展示はJR札幌駅から近い「クロスホテル札幌」と「クラークギャラリー+SHIFT」の共同企画。その内容は書、盆栽、漆、日本画、浮世絵、枯山水など「日本の伝統文化」をモチーフにした現代アート作品を、ホテルのロビー、ラウンジに展示。無料で誰でも自由に観ることができる。これは、僕が最初に書いたことと関連してとても興味深い内容。なぜなら、これは日本の現代アートの最前線であり、同時に日本の「伝統文化」とリンクしていることだ。

芸術は「点」ではない。「線」なのである。日本で起こっている文化や芸術に関するすべては、過去のどこかにつながっていて、未来にもつながる。本展示には「日本」が日本を「超える」ための
新しいアートのカタチがわかりやすく展示(提案)されている。年末年始という僕達が一番「日本」を感じる今の時期、足を運んでみてはどうだろうか。

ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

MACHINAKA ART-X_edition vol.26「超日本」展
会期:2017年10月4日(水)〜2018年1月14日(日)
会場:クロスホテル札幌  ロビー(北2西2 )

 

 

NEWS

NEWS No.17060-6「hugvilla 1st album “hug” 」

2017.12.23

cd

僕に「ゆらぐ感情」を生み出す、
日常と非日常の間を行き来するポップ・ミュージック。

北海道に住んでいる。
真冬の朝。思い切って窓を開けてみる。冷たい空気、白くなる息。
目に写るのは雪でフラットになっている景色。単純な気持ち良さ、
というより「感情のゆらぎ」に魅力を感じることがある。それは何だろう…

hugvillaは札幌在住のMiku Fukazawaによる女性ソロ・ユニット。その名はアイスランド語で「妄想」という意味である。電子楽器や、トイピアノ、ピアニカ などで音楽を作り出す。2014年にシングル『Ást』 をリリース。それからは国内及びアイスランドや台北でライブをおこなっている。そして今回、1stアルバム『hug』をCDでリリースした。店舗及びネット通販で入手することができる。

その音楽は、エレクトロニカ(電子音楽)と紹介することができる。ただ、それだけ書いても伝わらないだろう。このジャンルの音は意外と幅広いもので、ダンスミュージックに近いものもあるし、非常に尖ったノイジーなものもある。

本作はそのどちらでもなく、ゆったりとしてサウンドの中にはアナログな手触りが感じられる。アルバムを聴き進むにつれて、最初のイメージよりはずっと深度の深い音作りだとわかってくる。hugvilla の未知なる妄想の世界の奥に進んでいく感覚。ただ、それが暗めの印象にはならず、強い優しさを感じる音になっているのは、音作りのうまさと、キャラクターだと思う。「感情のゆらぎ」を感じさせる音がここにある。冬の今、部屋でも外でも楽しめる音だろう。

加えて本作のメディア形態の魅力も書いておくべきだろう。ダウンロード販売や、CDでも簡素なパッケージが当たり前の今。本作は紙製のオリジナル・ジャケットに、特典のブックレットと、いうとても凝った仕様になっている。これらのアートワークも本作の魅力だろう。僕は今後も本作のようなCDで凝ったアートワークで包み込んだ音楽作品は、アーティストのこだわりの中でこれからも作られ、受け入れられていくと思う。それが芸術なのだ。

ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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hugvilla 1st album 「hug」
CD 1,620円(税込)
https://hugvilla.jimdo.com/
 

 

NEWS

NEWS No.17059-5「あるメディアについて〜石を観ながら考える」

2017.12.16

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あるメディア〜「非常識な生き方」
を語るメディアってどうなんだろう?

「水石」を少し前からやっている。石に自然の風景を見立ててを室内の中で楽しむこと。家に置いたり展示の出品している。石は削ったり、色をつけたり等を手を加えてはいけない。僕は「水石」もひとつの「メディア」だと思っている。だから、「石」をみながらメディアについて考えたことを時々書いていきます。

今回は、何を書こうか。写真の石は静内の川で採ってきた石です。全体の形はシンプルすぎる石です。でも左にある一筋の白い線。これがいい。これは加えたものではない。最初からあるものだ。僕はこれを「滝」と見立てています。細いですが、上からまっすぐではなくて、少し曲がっているのがいい感じです。さて、今回は「非常識な生き方」とメディアついて書いてみます。

ブログを中心とする、インターネットの「個人メディア」。その発展は凄い勢いです。その中で、僕が興味深いと思うのは「常識からはずれた生き方の提案」をビジネスとして、発信するメディアの台頭です。僕はそれらについて読物としては興味深い。でも、それを自分を客として、カウセリングや、セミナーなどにお金を払うのはどうなんだろうと疑問に思う。以下に私見を書いてみたいと思う。あくまで僕の考えです。

なぜ、疑問なのか。結局「生き方」というのはとっても個人的な問題で「常識をはずれて、こう考え方変えれば、必ずうまくいく」という公式は成立しないと思う。なぜならばまず「考え方」だけで現実を変えることはできない。これは物理的な問題なので明白。現実を変える可能性を生み出すには「行動」が必要。では「行動」すれば変わるのか?というと、それは行動する人の性別、性格、年代、学歴、職歴、環境によって「変わるか」または「どこまで変わるのか」の効果はまったく違う。

だから、同じ行動でも劇的な効果を発揮する場合もあるし、逆にまったくない場合もある。だから、まったく未知数なのだ。まだ、それがある程度「常識」からのアドバイスであれば、過去の事例の蓄積から、予測もつくかもしれない。それが「非常識」な方法だとまったくわからない。他者がうまくいった非常識な方法が、自分が真似してもうまくいく気がしないのだ。真似をして成功するほうが奇跡だ。僕はそれに人生をまかせなたいとは思わない。

では、どうすればいいのか。すごい当たり前だが僕は生き方は、結局は自分でよく考えて、軌道修正しながらやっていくしかないと思う。自分の生き方は自身でカスタマイズするしかない。でも、実はそれが一番むずかしい。常に自問自答しないといけないから。それなら他者の一発逆転なアドバイスに耳を向けたくなる気持ちは凄いわかる。でも、なんかそれは違和感があるんだよね。大変とか、つらいならまだできるけど、違和感のあることを続けるのは大変ではないか。

僕は「生き方」はアートや本、映画等の芸術で学ぶことが多いと思う。それらには具体的なアドバイスはないけど、どこか自分の生き方や行動の芯になっていると感じる。「常識」的な「人生訓」のような本を読むのもいい。その場合の選択のコツはずっと重版を重ねてきたような本だ。例えば聖書はもっとも古く、そして現在も売れ続ける強力な本だ。僕も時々読む。聖書にある「明日のこと思い悩むな」なんて普遍的で素晴らしい言葉だと思う。真理がシンプルなのだ。

自分の人生は自分で考えて、自分で実現するしかない。シンプルに考えよう、それしかないのである。他者の「生き方」って、自分にとってはフィクションではないか。それにのめりこんで、自分の生きかたに重ねるには違う感じがする。またそれが「非常識な生き方」なら、なおさら参考にするのは難しい。僕は世の中は想像以上に常識で成立していると思う。

「常識」を疑うこと自体はいいと思う。でも、それは自分で考え、生活に取り入れるのは自分であり、結局生き方とは常識ベースで考えながら、非常識も時々考えてみる、というのが僕はベストだと思う。ブログで非常識な他者の生き方を学ぶより、芸術から生き方を学ぶのが僕のおすすめです。それはわかりにくいけど、それを読み解く自分に価値があるのだから。

ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

 

 

 

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