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NEWS No.16073-1「前田麦exhibition「自由研究-INDEPENDENT RESERCH」」

2016.12.01

baku1
NUMERO DEUX NEWS 1673-1 
札幌のアートなニュース。

本当に自由研究。
本気の自由研究。

小学校のころ自由研究というのは苦痛だった。僕の話だ。それには、いくつか言い訳がある。それはタイトルほど自由ではなかったし、そんなことより、テレビを観たかったのかもしれない。でも、先生に反抗することができず、アサガオの観察日記をつくった。なんの思い入れのないまま…

それから、いくつかの卒業アルバムを重ね、履歴書を作り長い年月がたった。不思議なことに大人なるほどクリエイティヴ、企画、表現というカタチで「自由研究」の魅力がわかってくる。ただ、残念ながら今、僕に自由研究の宿題を出す先生もいないし、とっても長い夏休みもない。残念だ。でも、続けるしかないのである。僕としては。

前田麦は1974年生まれ。札幌生まれ・在住のイラストレーター/アーティスト。アートディレクションもおこなう。2005年よりフリーランス。その表現はイラストだけではなく幅広い。そのひとつとして、リボンを動物等をモチーフにした作品リボネシアがある。さまざまな展示企画にも参加。個展は「前田麦 初個展 ” NO CONCEPT “」(2009年)から、今回7年ぶりの個展となる。

僕が前田麦に感じることは、アーティストであり「研究家」だ。彼に出会うと、いつも新しいアート作品のアイディアが聞けて楽しい。それは、身近なさまざまな素材を使って。彼は素早くプロトタイプを制作し発表する。アイディアを実体化する、というのは実に手間な作業。 ここで実際にやるか、やらないか、で大きな差が生まれると僕は思う。

前田麦はアイディアがあれば、やらずにはいられない感じが僕は好きだ。今回の展示は作品の魅力はもちろんだけど、彼のアイディアから作品までの、テンポの良い躍動を感じる。そこには実に「作りたいから、作る」というシンプルで(でも、難しい!)ことを、軽々と乗り越えた作品がある。その点はクリエイティヴの姿勢として学ぶ部分もあった。彼の自由研究は続く。僕も続けよう。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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 前田麦 exhibition「自由研究-INDEPENDENT RESERCH」
会期:2016.11.18(金)-11.27(日) 12:00-19:30
会場:space SYMBIOSIS(南2西4)
http://bakumaeda.tumblr.com/
http://www.bakumaeda.net
http://www.ribbonesia.com

 

 

 

NEWS

NEWS No.16072「東京・リトルプレスのある風景(6)『ブックギャラリーポポタム』」

2016.11.29

ポポタム

NUMERO DEUX NEWS 16072 アートなニュース

表現は楽しい。小さくて大きい「紙メディアの世界」=リトルプレス
『ブックギャラリー ポポタム』細やかで、思いやりを感じる。

もう北海道は冬になってしまいました。雪が空を舞っています。
この記事は過ぎ去った夏の思い出の話でもあります。

A.)連載の(お約束の)イントロダクション 

リトルプレスとは…個人や団体が制作から流通までを手がける小さな出版物。Zine(ジーン)ともいう。少し前なら、インディマガジンとかさらに昔はミニコミ誌とか呼ばれる種類のものかもしれない。もっと昔ならズバリ「自主制作」という感じですね。歳がばれるなぁ。意味合いはいろいろ変わっていく。「リトルプレス」のニュアンスは、規模さえ小さければテーマは自由。取材記事等のある雑誌ふうのものから、個人のアート作品に近いものまで幅広く感じる。

2016年9月。まだまだ暑かった都内。リトルプレスをあつかう魅力的なお店を8つ訪れてみた。た。今後、8回に分けて、ひとつひとつ紹介していきたいと思う。いよいよ後半、6回目です。
前置きはこのへんで。

B.)第6回目「ブックギャラリー ポポタム」。

これまでの記事。初回はジュンク堂池袋店について書いた。2回目は同じく大型書店の代官山蔦屋書店について触れた。2つの「大型書店」「未来」。その中でのリトルプレスという視点で続けてみた。3回目は、未来という部分を引き継いで今の書店のスタイルとして渋谷にあるユトレヒトを紹介した。4回目では「過去と未来」という視点で中野にあるタコシェを紹介。20年以上続いてるお店の魅力を書いた。そして、5回目では、リトルプレスを取り扱うだけではなく、様々な方法で「手助け」をする新しい形をもつお店MOUNT ZINEを紹介しました。

さて、今回も引き続きクリエイターに優しげな視線をむけるお店を紹介したいと思う。その名はブックギャラリーポポタム。池袋と目白の間にある、本とアートグッズのセレクトショップ。ギャラリーを併設していて、約2週間ごとに展示替えをしている。古本・古雑貨などの買い取りもおこなっている。立地は、池袋駅から僕の体感で10分程度だろうか。駅からの道のりは、初めてだと少し迷うかもしれない。ウェブサイトにある地図をよく確認してから行くのがいいと思う。

お店自体は、それほど広くはない。店内の構造は、入ってすぐは書籍や雑貨等の販売スペース。奥が独立したギャラリーになっている。本は一般的なアート本から、リトルプレスまで幅広い。アート系のリトルプレスが目立つ感じだった。僕がお店に行った時、お店の方とアーティストだと思われる人が、楽しげに会話、奥のギャラリーでも交流する風景が見られた。そんなシーンがよく似合う。

僕がリトルプレスを何冊か買い求める。お店の人は「雨が降っていませんでしたか?、この本は〜なっているのですよ」と話しかけてきた。細やかで、思いやりを感じるお店だった。店を出る。池袋では、ほかにジュンク堂を見て、中華のお店 永利 西口店で遅めのランチを食べた。

ishikawa
Text by
アート・メディアライター  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

ブックギャラリーポポタム
所在地:東京都豊島区西池袋2-15-17
最寄り駅:目白駅から徒歩7分/池袋駅から徒歩9分

 

 

 

NEWS

NEWS No.16071「<速報> 『アートフェア札幌2016』の歩き方」

2016.11.27

crosshotel
NUMERO DEUX NEWS 1671 
札幌のアートなニュース。

ホテルの部屋で、アート作品を見る日曜日。
絵、オブジェ、器、アクセサリー…その「歩き方」を紹介します。

現在、開催中(11/26-11/27)のアートフェア札幌2016。その内容は現代アートの展示販売会。会場は札幌中心部にあるスタイリッシュなホテル。その客室というのは大変ユニーク。前回、本サイトで予告ニュースとしてお知らせした。今回、初日の様子を以下、テキストと8点の写真でお伝えしたいと思う。雰囲気を感じてくれれば嬉しいし、ガイドになればいい。

まず、会場であるクロスホテル札幌に行こう。最寄りの地下鉄はさっぽろ駅か大通駅。どちらの駅からも僕の体感で5〜8分くらい。着いたら2階フロントで受付。そこで入場料¥1000を払う(このお金は、作品を購入すると返金される)。案内図などのパンフレット等をもらう。

そして、エレベーターで会場フロアに行く。13階と14階の客室すべてが、今回のフェアのためギャラリーで展示販売会場。会場フロアに着く。各会場の客室はドアは空いていて、自由に出入りできる。国内外の出品ギャラリーごとに客室1室のわりあて。ギャラリー名は客室入口にクレジットされている。エレベーター前や廊下には本フェスのスタッフがいるので、わからない点は聞いてみよう。

せっかくだから、全客室ギャラリーを行くのがいいと思う。端の部屋から見ていこう。部屋には担当者(作家、スタッフ)がいる。入ったら「こんにちは」と挨拶するのがいい。そして、自由に部屋の中を歩こう。部屋の壁面、ベッドからバスルームにいたるまで、作品が展示されている。なにか聞きたい事があれば、担当者に遠慮なく聞いてみよう。

僕の「歩き方」のおすすめとしては、まずは全客室を軽く、まわる。すると、自分の興味のある作品がわかってくる。そして、もう一度じっくりまわってみる。すると1時間程度はかかるかもしれない。

欲しい作品が決まれば、担当者に声をかけよう。すると、名前・連絡先等を書く購入用紙を記入する。そして、包装された作品を受け取る。支払い(現金又はカード)は受付のあった2階のフロントでおこなうため、スタッフに案内されて支払い場所に行くことになる。なので、複数のギャラリーで買った場合は、最後の買物が終わるまで作品は各ギャラリーで預かったもらうのがいいかと思う。買い物が確定した時点で、支払い手続きをしよう。

気になる価格帯はいろいろ。でも学生や普通の勤め人でも十分買える作品はある。後で写真で紹介する僕が購入した2点の作品も、それぞれ1万円以下のアート作品です。

「どんな作品を選べばいいのか?」それは、あなたの好みで決めるしかない。僕がアドバイスできるのは、気になる作品を自分の部屋・職場等の「どこに」飾ると気持ちいいか?というイメージするのがいいと思う。そこでしっくりくるのがいいかもしれない。玄関、リビング、ベッドルーム、バスルーム…作品はどこにでも存在できる。また、出品作品には以下の写真のとおり、アクセサリーや食器類もある。こうした「使える」アート作品も楽しみやすいと思う。

「アートフェア札幌2016 」は本日(11/27日曜)の11時〜19時まで、
興味があれば、ぜひ足を運んでみよう。
あなたの生活が楽しくなるアートが手に入るかしれない。

▼ 以下、写真は会場の様子を6点。その後の2点は僕が購入した作品である。

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Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

アートフェア札幌2016
会期:2016年11月26日(土)11:00〜20:00、27日(日)11:00〜19:00
入場料:1,000円(デポジット制=作品購入者には入場料を返金)
会場:クロスホテル札幌(北2条西2)
オフィシャルサイト:http://www.artsapporo.jp/fair/

出展ギャラリー:上海/office339,ソウル/LeeSeoul Gallery,ニューヨーク・東京/hpgrp ,GALLERY,東京/EINSTEIN STUDIO,東京/LADギャラリー,東京/ギャラリーかわまつ,東京/Emigre Collection,東京/eitoeiko,東京/SORaC gallery in collaboration with Ai Kowada Gallery,京都/同時代ギャラリー,岐阜/ギャラリー水無月,大阪/YODギャラリー,福岡/ギャラリー MORYTA,函館/ギャラリー三日月,帯広/ギャラリー北舟,札幌/ギャラリー門馬,札幌/ハナアグラ,札幌/クラークギャラリー+SHIFT

 

 

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