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NEWS No.16043「伊賀信展『GEO SPACE』」

2016.07.27

0816伊賀 信
NUMERO DEUX NEWS 16043 札幌のアートなニュース。

良質のアートは、
刺激と心地良さが同居する

アートに自分が一番求めるのは刺激ある、心地よさなのかな、と思う。矛盾するような2つの反応だけど、ただ心地よさ「だけ」だと、自分の中でぬるい感覚で終わってしまう。それはまるで休日の寝坊のように空しい。心地よさに、自分の視点を変えさせるような「刺激」が加わるといい。言い換えれば「刺激のある、心地良さ」とは「新しい視点であり、自分の中に素直に受け入れる」ことだと思うのだ。それが「ある」展示を紹介したいと思う。

僕は伊賀信の作品を見るといつも一瞬、戸惑いがある。幾何学的作風に美術やアートという視点で考えることを、少しためらってしまう。これはアートなのか、デザインなのか、両方なのか、両方違うのか。心で問答する。そして、結論が出る。これはアートだということ。そして、刺激と戸惑いの理由は、伊賀信の持つ良質のオリジナリティだと思うのだ。そう考えると、僕の心情は刺激から心地よさになっていく。これは最初に書いた僕の好きなアートのひとつの見本が、伊賀信の作品にはあることの証明になる。

伊賀信は1961年生・札幌在住。細い木材を主な素材として、綿密に構築した設計図上にパーツを積み上げた幾何学的な作品を制作。作風は平面を超えて、立体的であり、インスタレーションとして空間を作り出している。「幾何学的抽象芸術実験室=G.A.A.L」主宰。

本展示を見て、刺激を感じて欲しい。
そして同時に心地よさも。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


伊賀信展『GEO SPACE』
会期:2016年7月21日(木)~8月16日(火) 11:00~19:00 最終日17時迄)
会場:グランビスタギャラリー サッポロ(札幌グランドホテル1階ロビー)

 

NEWS

NEWS No.16042「500m美術館vol.19 いつかきたみち、こどもみち『光陰矢如』」

2016.07.25

1012500石田
NUMERO DEUX NEWS 16042 札幌のアートなニュース。

歩くのは、はじまり。

は生まれて、よちよち「歩く」。シンプルな動作。そこから人生が広がっていく…カフェでの会話もいい。でも時には「歩きながら」話をするももっといい。例えば、打ち合わせの帰り道、お互いの次に向かう方向が別れるまで、企画等の話の続きの話をしていく。相手の横顔、身振り、少しづつ変わっていく風景。足を運ぶことに、話も進んでいく。お互いの人生も流れ、交差する。時には一人で歩で歩く。そこで浮かぶアイディアも、デスクに座った時より良い気ががする。いや、きっといい。つまり「歩く」と良いことがおこる、僕はそう思うのだ。そして、僕達は毎日歩く。

「500m美術館vol.19 いつかきたみち、こどもみち」の出品作品のひとつを紹介しよう。それは「光陰矢如」石田勝也・船戸大輔の2人よるインタラクティブな作品。そのタイトルは「月日が矢のように瞬く間に過ぎ去ってしまうこと」を意味することわざ。壁面に設置されたLEDは、歩行者を探知して光り輝く。作品タイトルとなった普遍性のある言葉をテクノロジーを使って実体化している。その表現を見て、僕たちは気がつき、考える。歩くことについて。これは現代アートの表現として、素晴らしい実験だと思う。なぜか、気がつき、考えさせることによって、「昔」と「今」をつなぐものだから。そして、結果「未来」を考える「思想」となる。

公共空間に配置されたアート。それは足早に歩く今を生きる人に反応していく。それは自分が光らせても、他者が光らせてもいい。歩くことは、未来にむかって進むこと。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

500m美術館vol.19 いつかきたみち、こどもみち
『光陰矢如』

会期 : 2016年7月9日(土)~2016年10月12日(水)
会場:札幌大通地下ギャラリー 500m美術館

 

NEWS

SAPPORO GUIDE+ No.010 「北海道開拓の村を彷徨う。できれば冬」

2016.07.19

北海道開拓の村 SAPPORO GUIDE+  No.010 札幌を<初めて楽しく>アートに歩くガイド。

 No.010 「北海道開拓の村を彷徨う。できれば冬」 ————————————————–

さて、札幌のまちに、はじめて旅行等で訪れて、文化的に楽しく歩くガイドの10回目。前回は札幌中心部にあるアート施設を紹介してみましたSAPPORO GUIDE+ No.009 「札幌資料館という迷宮」今回は少し郊外だけど北海道の歴史を感じさせる大型の野外博物館を紹介しましょう。その名は北海道開拓の村です。 では、くわしく説明していきましょう。

まず、気になるアクセス方法から。あなたが車が使えるなら札幌中心部、札幌駅から1時間程度でいけるかと思います。400台の無料駐車場があるのがいいですね。そして、本施設の周辺には、北海道博物館という施設もあり、車があればそこにも行きやすい。さらに周辺は野幌森林公園ですから、時間があれば自然散策を楽しむこともできます。公共の交通機関の場合は、地下鉄東西線「新さっぽろ駅」(大通から約25分)または、JR「新札幌駅」(札幌駅から約15)で下車。JR北海道バス新22「開拓の村」行に乗れば行くことができます。 ちなみに「新札幌」という名称は、この駅周辺を札幌の副都心にしよう、という構想のもとにつけられました。駅直結の大型のショッピングモールがあり、生活のしやすい場所になっています。

北海道開拓の村は、北海道百年を記念して1983年に開設した野外博物館。簡単にいえば、北海道の開拓時代(明治〜昭和初期)のまちが移築、復元によって54.2haの敷地に再現されています。「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」の4エリアに分けられ、開拓当時のまちの様子を体感できる。各建物のほとんどは外観だけではなく、中に入ることもできる。民家から、病院、新聞社、学校、お店などなど全52もある建築物がある。それぞれ、特色があっておもしろい。 ここを歩けば昔の北海道の街にタイムスリップ。

札幌市内では意外に開拓の歴史を感じさせてくれる場所は少ない。そのなかで貴重な体験のできる野外博物館です。また、まわりの野幌原始林公園、北海道博物館、北海道100年記念塔などを含めれば、夏でしたら、ここでハイキングのように1日過ごすのもいいかと思います。でも、北海道開拓の村を一番楽しめるのは冬というきがしまうす。雪のある北国の光景が似合うのです。

Text by アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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