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SAPPORO GUIDE+ No.010 「北海道開拓の村を彷徨う。できれば冬」

2016.07.19

北海道開拓の村 SAPPORO GUIDE+  No.010 札幌を<初めて楽しく>アートに歩くガイド。

 No.010 「北海道開拓の村を彷徨う。できれば冬」 ————————————————–

さて、札幌のまちに、はじめて旅行等で訪れて、文化的に楽しく歩くガイドの10回目。前回は札幌中心部にあるアート施設を紹介してみましたSAPPORO GUIDE+ No.009 「札幌資料館という迷宮」今回は少し郊外だけど北海道の歴史を感じさせる大型の野外博物館を紹介しましょう。その名は北海道開拓の村です。 では、くわしく説明していきましょう。

まず、気になるアクセス方法から。あなたが車が使えるなら札幌中心部、札幌駅から1時間程度でいけるかと思います。400台の無料駐車場があるのがいいですね。そして、本施設の周辺には、北海道博物館という施設もあり、車があればそこにも行きやすい。さらに周辺は野幌森林公園ですから、時間があれば自然散策を楽しむこともできます。公共の交通機関の場合は、地下鉄東西線「新さっぽろ駅」(大通から約25分)または、JR「新札幌駅」(札幌駅から約15)で下車。JR北海道バス新22「開拓の村」行に乗れば行くことができます。 ちなみに「新札幌」という名称は、この駅周辺を札幌の副都心にしよう、という構想のもとにつけられました。駅直結の大型のショッピングモールがあり、生活のしやすい場所になっています。

北海道開拓の村は、北海道百年を記念して1983年に開設した野外博物館。簡単にいえば、北海道の開拓時代(明治〜昭和初期)のまちが移築、復元によって54.2haの敷地に再現されています。「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」の4エリアに分けられ、開拓当時のまちの様子を体感できる。各建物のほとんどは外観だけではなく、中に入ることもできる。民家から、病院、新聞社、学校、お店などなど全52もある建築物がある。それぞれ、特色があっておもしろい。 ここを歩けば昔の北海道の街にタイムスリップ。

札幌市内では意外に開拓の歴史を感じさせてくれる場所は少ない。そのなかで貴重な体験のできる野外博物館です。また、まわりの野幌原始林公園、北海道博物館、北海道100年記念塔などを含めれば、夏でしたら、ここでハイキングのように1日過ごすのもいいかと思います。でも、北海道開拓の村を一番楽しめるのは冬というきがしまうす。雪のある北国の光景が似合うのです。

Text by アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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NEWS No.16041「ノード 第59期生札幌大谷高校美術科OG有志展」

2016.07.18

0710ノード大谷
NUMERO DEUX NEWS 16041 札幌のアートなニュース。

アーティストになるには?
そのはじまりと、終わり。

簡単かもしれない。ひとつ作品をつくればアーティストになれる。それがはじまり。では、アーティストを辞める場合はどうすればいいのだろう?会社を辞める場合は「退職届」を出すことになる。出さなければ怒られるし、非常識といわれる。では、アーティストを辞める場合はどうすればいい?アーティストは「退職届」を出す義務はない。「辞める」ことを口に出さなくてもいい。もう一度最初から考えると、入社試験も面接もある訳ではないから「辞める」のも不要かもしれない。でも、客観的にはアーティストにも必ず終わりがある。それは自分で決めることなのか、他者が決めることなのか。僕は、そこにはひとつの「事実」があればいいと思う。

本展は市内高校美術科のOB有志による展示の企画。「有志」とあることから、ゆるやかな企画かと思う。声をかけられた時点で、作品を出してみようと思った人が出展するような感じではないだろうか。出品者はそれぞれ、新作もあれば、過去作もあるのかな。卒業をしてからも作り続けている人、ひさびさに作った人もいるかと思う。作品を眺めていく。展示作品の作風の違いを感じながら、僕はそれぞれのアーティストと制作環境の違いも想像してみる。さらに、本展に出品したかったけど、できなかった人もいるのではないか、とも考える。こうした企画は、出品したアーティスト自身が「今、自分はアーティストなのか」と問いかける良い機会ではないだろうか。僕が考えるアーティストの定義を簡単。それは「作品を作り、発表する」ことを適切なタイミングで続けている人である。シンプルに言えば、作品を発表しなければアーティストは、その「事実」がアーティストの「退職届」だと僕は考えている。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

ノード 第59期生札幌大谷高校美術科OG有志展
会期: 2016年7月6日(水)− 7月10日(日)
会場:ほくせんギャラリー アイボリー(南2西2)

 

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NEWS No.16040「浅井真理子 つるつるのみちをとおってかなたをさわりに」

2016.07.17

714浅井真理子
NUMERO DEUX NEWS 16040 
札幌のアートなニュース。


美術館を、
インタラクティヴ
机の上の小さく深い世界

美術館で私達は五感のなにを使うのか。その多くは「見る」ということではないだろうか。そこにある行動は「立って」いること。美術館でわたしたちは「立って」「見る」。そんな先入観で、本会場に入ると、少し戸惑う。

なぜか、会場には複数のテーブルに、ノートが置かれている。まるで「生徒のいない教室」のようである。不思議な謎を残したホームルームのような印象を僕は持った。手がかりは机に置かれたノート。それを証拠品を調べるように手袋をして、表紙から、ていねいにページをめくっていく。そこに描かれた線。ひらくごとに曖昧感じられてていく世界。

それをなんとか読み解こうと、ページを進めたり、戻したりしたりする。目を本から離すと、ノートの置かれた他の机が目に入る。しばらくして、ほかの机に行ってみて僕はまた同じことを繰り返す。アート展示における、この僕の「行動」は何なのだろう?僕はこれは普通、インタラクティヴな仕掛けのある作品に対する行為だと思う。しかし、本展それは存在しない。すべては一人芝居。

作品自体が、なんらかの反応をする仕掛けがある理由ではない。でも、僕は自分がノートのページをめくって、そこに書かれていて見る。考える。それを複数のテーブル間に存在し、それぞれに移動していく自分。その動きが、作品との相互コミニュケーションしているように感じる。さらには机、ノート、抽象的なドローイングというのが、アートであり、同時に日常感もある。そこが、本作品との相互感を強めているのではないか。そして、その世界に「迷う」感じが僕にはとても魅力的だった。シンプルに思える作品が、実はその深さに底までみえない感じである。

浅井真理子は東京・埼玉を拠点にするアーティスト。映像やオブジェ、写真、ドローイング等、多様なメディアを組み合わせた作品を制作。近年はとくに人の営みの中にある五感を捉え直すような作品を発表している。今回の展示では、机に手製のノートに感圧紙へのドローイングした作品を展示している。見るものは白い手袋をつけてノートの中身をのぞいていく。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

浅井真理子 つるつるのみちをとおってかなたをさわりに
会期: 2016年6月25日(土)− 7月14日(木)・日曜休
会場: CAI02 (大通西5 昭和ビルB2)

 

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