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「遠くにぼんやり」
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遠くにぼんやり見えるものがある▼目を細めてもぼんやり▼双眼鏡でもぼんやり▼天体望遠鏡でもぼんやりである▼なぜか、絶対的なぼんやりは、どういった方法をつかってもぼんやりなままだ▼その場合、ぼんやりについては忘れてもいいかもしれない▼大事なのは「ぼんやりみえないこと」を考えることだと思う▼不思議なもので、ぼんやりしないものよりぼんやりしたものを考えたくなる▼でも、ぼんやりをいくら考えても、ぼんやりなままだ▼「ぼんやりしないもの」をしっかり考えることで「ぼんやりしたもの」もはっきりしてくると思う▼石川伸一(NUMERO DEUX)——————