アメリカン・コミックの映画化。最近多いですよね。でも、なんだかんだいって主役のヒロインは少なめ。本作は、正統派強いヒロインものだといえます。こういう映画って、主人公が「強い」というのは当たり前なので、圧倒的な強さをみせるシーンというのが必要で、CGの発達のよってそのあたりは本当に昔よりは映像化しやすくなっていると思う。本作でも迫力あるシーンがあります。
ただ、それだけでは2時間の映画にならない訳で、プラスアルファが必要になる。ワンダーウーマンは、クラシックなヒロインなので、戦闘時にそんなに強い個性がない。バットマンのようにさまざまな武器や乗り物を使いこなす訳ではない。見せ方のバリエーションは少ないのだ。だから、本作は思ったりより、アクションは少ない。控えめにしている。
その代わり主人公が「女性」という部分をうまくクローズアップしていると僕は感じた。なんて、書くと女を売り物にいているのか、と思われそうだけど、そういうのとはまったく違うと言っておきたい。あくまで、僕の感覚なんだけど、本作は女性の持つ、細やかさ、母性的な優しさ、そして、男性が女性に抱く感情というのを、いろいろなシーンで、小さくキメ細かく表現されていている。それが一番の見どころだと思います。そして、最初はお姫様的な勘違いをしていた主人公が、人類を守る立派なヒロインになるところが、描かれいる。
Text by メディア・リサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)