おもしろく、興味深い。
「色」ではなく「食」
「食事」ほど「みんな好きカルチャー」はないと思う。僕も好きだ。
本作は決して、グルメでも、オシャレでもない。その中心にあるのは「食」でもないと思う。あるのは「南極」という極限の地。現代にある現代社会から遮断された空間。ただ、本作はパニック映画でもSF 映画でもない。主人公たち8人は日々粛々と仕事に取り組む。その様子をユーモラスたっぷりのエピソードを重ねて描いている。そのオーバーアクションに描かれている点や、映像の質感は賛否の分かれるところだと思う。でも、僕は好きです。誇張、誇張、下品であるのだけど、誰もが思い当たることが多いではないだろうか。気楽に楽しめる作品です。でも、本作は仕事と、食べ物と、愛する人について赤裸々と同時に、さりげなく話しかけてきます。
Text by アート/メディア リサーチャー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)