空中にほうりだされる言葉。
それが僕の中で映像になる。
私は落語とは映画だと思っている。なぜならイメージがそこあるからだ。落語家が言葉を放つ、扇子で床と叩くとき、2役を演じるために顔の向き変える時、そこにイメージがうまれ、ドラマに出会う。
アヤさんが切り盛りするカフェブルーで落語の公演、いわゆる寄席がおこなわれた。カフェという場所でどうやるのかな?と素朴な疑問があった。当日を行ってみると、お店にある什器に、まんまるなクッションが置かれ、シンプルなんだけど、実に雰囲気のある高座(ステージ)が作られていた。
開始までDJプレイが入り、時間になると出囃子(でばやし)が流れ、落語家が登場した。公演は最初は桂紋四郎 、その次の笑福亭笑利。そして、もう一度紋四郎で古典と新作を交えておこなわれた。
最初の枕で落後の成り立ちや、顔の向きを変えることによって2役を演じる理由など落語の基礎知識的な話が良かった。それにしても「座蒲団さえあればでこでも寄席はできます!」と話すあたり、まさに芸人という感じがとても魅力的だった。カラダひとつでできる芸は本当に凄いと思う。
噺ががはじまる。よどみなく言葉が空中に放り投げられて、映像のようなイメージになって僕の頭の中に入っていく。浮かびあがる噺の中の人物のやりとりに、笑わずにはいられない。あっというに約90分の公演が過ぎていく。
ブルーのDJバーのような雰囲気中で、みた落語に違和感がないのが、落語もアートだからだと思う。会場では、とても可愛らしいオリジナルのグッズも販売され、このあたりもアーティストの公演とまったく変わらないなぁ、と思った
ぜひ、またブルーで観てみたい。
2022.3.20
紋四郎•笑利の札幌blue寄席
出演:桂紋四郎 笑福亭笑利
会場:cafeblue(中央区南3条西8)
料金/2000円+1ドリンクオーダー
Text by メディア・プランナー 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter