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NEWS No.180601「講演 廃校活用とアートプロジェクト」

2018.06.01

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残した後は?そこは「おいおい」ではダメではないか。
やる人が特定された「やることリスト」が必要。

円形校舎を見たことがあるだろうか?

僕は江別の小学校で見たことがある。文字通り校舎が丸いのである。
はじめて見た時は感動した。
みたことのない方は、一度ネットで円形校舎で検索していただきい。

なんとも、レトロ・フューチャーというか、クラシックでとてもいいデザインだと思う。
ありきたりの長方形の学校育ちの僕にはうらやましい。

室蘭には廃校になった円形校舎である旧絵鞆小学校がある。現在、それの今後のあり方が議論されている。取り壊すか、活用の道を探るのか。

それ関連イベントとして柴田尚教授の講演会が室蘭市内でおこなわれた。柴田教授は北海道教育大学 芸術・スポーツ文化学科教授であり、NPO法人S-AIR代表としてアーティスト・レジデンス活動を長年おこなっている。また、平成23年~26年度まで全国の廃校・旧校舎の芸術文化活用調査を実施した。その経験をふまえた講演がおこなわれた。

柴田教授は、全国の廃校利用のアートプロジェクトの紹介を通して、さまざまな「可能性」の話をしてくれたと僕は感じている。そして、その「可能性」をどうするかは、この地に住むわたしたち次第ではないかなと思う。魅力的な円形校舎を壊すより、残すがいい、という意見はわかりやすいし、通りもいい。では、残すとして「どう使うのか」というのは一番の問題となる。

それは実は「魂」の問題なのだ。残したとしよう。そこが市民会館のようなイベント貸しスペースになるとかだと、それは「魂」なき存在ではいのか。市民会館なら、いい。もともと、そういうものなのだから。でも、壊すものを残した時にそこがなんとなくの「貸しスペース」になるというのは、単なる延命措置になってしまう。

残してどうするのか? そこは「おいおい」ではダメではないか。
特定された市民の役割分担がだと思う。
「誰が」「いつ」「なにを」やるという「やることリスト」が必要なのだ。

そして、この校舎の活用には文化的観光業にシフトするための室蘭の未来への
カギがあるのだと思う。僕は行政主導よりも市民(民間)主導で維持・活用できれば
一番いいと思う。市民がお金をふくめてダイレクトに校舎を維持に参加することを集うのだ。
できれば「魂」が産まれる。

柴田さんのお話しの中で僕が一番印象に残ったのは、
「僕はどうも予算がないアートの企画を頼まれることが多くてね…」
というのだった。結果的に柴田さんはそんな企画をカタチにする。
だから、また頼まれる。この魂を学ぶのが一番大事だと思う。

旧絵鞆小学校の活用を考える講演・WS
柴田尚 講演 廃校活用とアートプロジェクト

期間:2018年3月17日(土)
会場:祝津町会館 2階ホール
主催:旧絵鞆小学校活用プロジェクト

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Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

NEWS

NEWS No.180526「いきものいんく写真展~野生動物×こどもたち~」

2018.05.25

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自然には、理屈ぬきの魅力がある。
それを大事にしたい。

僕は自然で遊ぶなら、観光サービス的なアクテビティはなくてもいい。気楽に歩きまわれる原始林や湖があれば十分だ。僕はそこで持参した保温ボトルのコーヒーを飲んだり、ポケットのスマートフォンで写真を撮る。それは記録を残す、というよりも目の前の自然の魅力を、そのどこを切り取るか、というメディア好きの僕なりの遊び。自然の中での編集作業。楽しいよ。ワークショップやりたいくらい。

「いきものいんく」は子供たちにいろいろな生きものに出会い、野生動物や環境問題について学ぶためのツアーや、キャンプを企画しているNPO法人。北海道伊達市が拠点。「自分のことは自分でする」たくましい子どもを育てるコンセプト。代表者の加藤康大は本NPO設立前は自然保護官補佐として支笏洞爺国立公園の管理業務をおこなっていた。その他、自然に関する豊富なキャリアを持っている。

会場にいた加藤氏と話をしてみた。ツアーやキャンプの中では子どもたちの自主性を最大限尊重するという。キャンプでのグループ決めなども子供たち主導やらせる。スタッフは少し距離を置いてサポートするという。そうすると、こどもたちは自主的にいろいろなことを決めていって、自然の中でさまざまな遊びを生み出していくという。

本写真展示はいきものいんくの活動の様子を撮影したもの。参加した多くの子どもたちのいきいきとした様子がわかる。写真が魅力的なのは、こどもたちの感じている楽しさと、もうひとつ理由がある。それは多くのプロカメラマンによって撮影されているからだ。だからクオリティが高い。そういった広報的な視点で観てみると、募集チラシやパンフレット、ウェブサイトもプロのデザイナーに発注されており広報に力を入れているのがわかる。その点は会場にいた加藤代表も意識していると語ってくれた。

プロのカメラマンやデザイナーに発注することは、お金がかかる。それなら宣伝なんかより、内容に力をいれたい…その理屈もわかる。ただ、意味や効果があるから写真やグラフィックで「伝える」プロが存在するのである。厳しい書き方だが、どんなに素晴らしい活動でも、伝われなければやってないと同じ。もちろん、宣伝ばかりもいけない訳で、本質はバランスの問題。そこの部分はいきものいんくのセンスはとてもいい。

いきものいんく。お子さんのいる方は、ぜひこれからいい季節の予定として参加を検討してみてはどうだろうか。大人の参加もできるプログラムもあるので、僕も機会あればぜひトライしてみたい。

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▲会場には、いきものいんくのデザインを行っている札幌のデザインユニット
rocketdesignも紹介もされていた。

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「いきものいんく写真展~野生動物×こどもたち~」
期間:2018年2月25日(土)~3月5日(日)
会場:洞爺湖ビジターセンター(北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142−5)
主催:Npo法人 いきものいんく

ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

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NEWS No.180519「 Yamaoka & Purl “SIMPLE SONGS”(DATABLOEM/HOL)」

2018.05.20

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テクノ・ミュージックとは(もはや)自然の中の音楽
(もっとも)人間らしい音楽のひとつだと「読む」

テクノな感覚には世界性があり、それが自然となっているではないか?
原始な自然は常にある。都市から離れた場所にあるイメージがあるが、
僕はそう思わない。都会にも自然はある!
例えば、公園だったり、家先に置かれた鉢植えの場合もある、花屋の店先でもいいのだ。売り物だって立派な自然。もちろん郊外にある存在するクラシックな自然も僕達を癒やしてくれるし、守られるべきものだ。

さて、テクノは自然だろうか? 僕はそう思う。
画一的だったり、マシン信仰等非人間的なイメージがあるけど、
そんなイメージにこだわるのがとっても人間らしい。(こだわる)から人間なのだ。

テクノロジーが不可欠な現代では、もはやテクノは自然の一部と考えられないか。
もちろん、クラシックな自然の否定ではなく、テクノな自然があって、
2つの自然で共存すればいいのだ。それを表現したのが、
テクノの重要ジャンル、アンビエントだと思う。

Yamaokaは北海道北広島を拠点に20年以上のキャリアを持つテクノユニット。現時点でアルバムを24枚リリース。そのほかシングルやコンピレーション・アルバムの参加も多数。リリースだけではなくライジングサン等のフェスや、そのほかのイベントでLIVA PAをおこなっている。

今、日本でこれだけのキャリアを持ち、そして「現役」のテクノ・ミュージシャンは数少ないのではないか。それが自分が住んでいる同じ北海道とがホーム」とは嬉しい。

本作は24枚目のアルバム。今回はスウェーデンのLudvig Cimbrelius(Purt)との共作ということだ。それを意識して聴いてみると、音の「深度」のゆらぎが、いつもの違うと思うのは気のせいか、そうなのか。2人のアーティストによるアンビエント・サウンドの二重写しから、生まれるズレのようなところが、あるのではないか。そういう自分勝手な考えで音楽を楽しみ進む。音楽は聴くものだが、同時に「読む」ものだと思っている。
そして、このアルバムにはアンビエントという形になってテクノの自然がある。

Yamaoka   More Information
http://techno-yamaoka.seesaa.net/
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ishikawa

Text by  メディアリサーチャー石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)


 

 

 

 

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