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他者にひっぱられる神経〜葛西 由香 個展「52ヘルツの謳歌」

2022.02.24

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他者にひっぱられる神経。
ところ、本質と離れた。

人と一緒に歩く時、歩くスピードをあわせる。ひとりのときはヘッドフォンで好きなように歩く。僕は少し早めだと。風景をみながら。ひとりで部屋にいると、時に適当にぼーっとしている。人といる時、神経を研ぎ澄ます。

葛西由香の展示会がホテル内にあるギャラリーで開催された。葛西は1993年・北海道北見市生。 札幌大谷大学に進学。2016年に芸術学部美術学科日本画専攻を卒業。新鋭の日本画家である。日本画というクラシックな手法を、現代にあるものなどを素材にし、親しみやすい作品を制作している。

作品を見る。考えたのは、意味が外のあるものと中にあるものがあるということ。モノそれ自体の意味より、モノをめぐる状況で感じることが多いと思う。では、その本質って何だろう、と思うことがある。その疑問は年々深くなっていく。

モノ自体に本質があると考えるのは、実は一番簡単なことだが、なんかそれでは納得しきれない。本質とは、実はモノ自体よりよりもモノのまわり、または心の中にあるのではないかと、ぼんやり考えている。

葛西の作品には描かれるモノは、まちがいようのない具体性の高いものだが、非常に感情的なひきづりがあり、それが作品が現実世界につながるリンクとなる。その感情は喜怒哀楽とは異なるあいまいなものだと感じる。でも、そんな感情がわたしたちには一番大事なのではないか。

人がいない時に気を使い、人と居るときに他者を忘れる、そんなこともあってもいいではないか。
観に行ってみてほしい。

葛西 由香 個展「52ヘルツの謳歌」
YUKA KASAI solo exhibition “The Song of 52 Hertz”
期 間:2022.01.04(火)〜02.28(月)  11:00 – 19:00(最終日17:00)  /休館日 土日祝 / 入場料 無料
会 場:グランビスタギャラリーサッポロ(札幌市中央区北1西4札幌グランドホテル1階ロビー内)

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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福祉のイメージをつくっていく。

2022.02.20

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福祉のイメージをつくっていく。
福祉という意味を、わかりやすく。

昨年から、札幌で若者の就業支援や福祉に関するプロジェクトに参加させてもらっていて、打ち合わせがあった。この分野に関しては僕はまったく無知であり、会議の場が自分の勉強の場ともなっている。

その中で自分の役割として考えるのはよりプラスな「イメージ」をつくることだと思う。それは広報だったり、施設のインテリアだったり、人の流れをつくることや、アートや文化をうまくコミットさせる仕組みである。

これからは福祉を魅力的な「ブランド」にすることが大事なことではないだろうか、と自分なりに思っている。どうだろう。

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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壁から生まれる未来〜 500m美術館 vol36 500メーターズプロジェクト008 「おこもろいな」—そんなこともあったね—

2022.02.17

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〜展示を観る
壁から生まれる未来
「『おこもろいな』—そんなこともあったね—」を観て歩いて。

地下鉄に急ぐ。走る。エスカレーターを左通行。ぶつかりそうになる。「すいません」。知らない人に僕はマスクごしに気持ちを伝える。ソーシャルディスタンス。建物に入ればアルコールポッドで消毒。体温センサーが僕の額をとらえる。僕(たち)は慣れはじめている。

そんなうずまく現在進行の「今」。僕たちを未来をどう考えて、やり過ごしていけばいいのか。
やり過ごすでいい?

「そんなこともあったね」といつか笑って言えるような思いを込めて、アーティストと企画グループによる壁面作品の展示「『おこもろいな』—そんなこともあったね—」が開催された。

無邪気とも思えるドローイングの中に、思慮深いフックが感じられる。本作は、新型ウイルスと政治やイデオロギーとか、と離れたところに「ある」と感じられるのがすごくいい。もっとシンプルに無邪気に優しく考えようよ、問われているようだ。

夢が見られない社会は不幸である。未来を語れない社会は不便だと思う。マスクも、消毒剤も続いていくかもしれない。でも、それ自体は不幸ではないかもしれない。「おこもろいな」とは、状況というより思想の進化なのかもしれない

過去の楽しさより未来への希望。いろいろなとこが進行形のがいいよね。

だって、つまり未来がある。大事なのは捉え方。

「500m美術館 vol36 500メーターズプロジェクト008」
「おこもろいな」—そんなこともあったね—
2021年12月11日(土)〜2022年4月13日(水
500m美術館

 ishikawa

Text by  メディア・プランナー  石 川 伸 一 (NUMERO DEUX) Facebook / Twitter  

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