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毎日の字間

2016.11.5 映画の琴(コト)『ミラクル・ニール!』

2016.11.05

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『ミラクル・ニール!』(2015年)

コメディ映画。借りた理由はただひとつ。ケイト・ベッキンセールが出ているからである。それしかない。それで終わり。彼女といったら、当然(僕の中では)「アンダーワールド」。クールで強い、でも優しさを持つヴァンパイア。素晴らしい。さてさて、本作では、マスコミ関連の仕事に就いている男運の悪い女性キャラ。それもまたいい。美形女優であるのに、こういう役もさらりと引き受けるの素敵。そして、彼女に恋する主人公が作家志望の冴えない男というのがまたいい。劇中の笑いになんかクセがあるなぁ、と思ったら、監督はモンティ・パイソンのテリー・ジョーンズ。それは観た後に知った。なるほどと合点。そう考えると、ひとつひとつのギャグを思い出してはニヤリとしてしまう。実はかなり良質な映画作品。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

毎日の字間

2016.10.30 映画の琴(コト)『ヘイトフル エイト』

2016.10.30

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『ヘイトフル エイト』(2015年)

おっ、タランティーノらしいね!

タランティーノの作品はずっと観ていると思う。ただ、どうも「キル・ビル」からどうもノレない。正直、「キル・ビル」はどうもわからん作品だった。それなら前作の「ジャッキーブラウン」のほうがずっと良かった。そこから、新作を観てもその想いをずっと引きずっていた。

そんな思いの中での最新作の『ヘイトフル エイト』を観る。映画の冒頭、寒々しい風景が続く。古めかしいクレジットデザイン、70mmのスケール感。いい感じ。そして、6頭馬車のアナログ感、力強さ、いいなぁ。いい!そして、悪人と悪人の出会い。会話。観ていてさらに「いいなぁ」と思う。舞台設定が、南北戦争の終了直後。西部劇の雰囲気が色濃いあたりが効いている。生臭い感じ。そこに冬の美しい光景。

そして、舞台は一気に狭い空間に移る。増える人物。積み重なる会話とバイオレンス。いいです!まさに、僕の好きな「レザボアドッグス」な感じが、今のタランティーノのセンスで、まとめられていいる。世界に引き込まれる。時代設定の魅力や、景色を捉えるアートな風格も。そして、ジャクソン、ラッセル、ロスが出てるのだから、おもしろくないないハズがない!

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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2016.10.22 映画の琴(コト)『キャプテン・フィリップス』

2016.10.22

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『キャプテン・フィリップス』(2013年)

管理職トム。

トム・ハンクスは巨大な貨物コンテナ船の船長。ソマリアの海賊に襲われる…という話。おー、「ダイ・ハード」みたいな話。ハンクスも挑戦したなぁ、ガンアクションあるかな、とはじまりを待つ。いざ、観てみると本作はハンクスの生真面目管理職ドラマであった。多分、その性格のため身体の調子が悪かった時期もあったのだろう。今の管理職はみんなそうだよね。大変。自分の仕事に真面目に取り組んでいる証拠です。本作は、そのハンクスの真面目な社会人ぶりを心に刻む作品だと思う。そして、悪役。いや彼を悪役といってはいけない。彼はいわばハンクスより、ちいさな会社の取引先のようなもの。無理難題をふっかける。それに、あくまで誠実に対応するハンクス。悪役も好きで無理をいっている訳ではない。彼には彼らの生活(社会=会社)がある。上司が無理をいうのだ。本作はシージャックの映画。その期待は裏切らない。でも、話が進むうちにハンクスと敵役のお互いの社会人のドラマだなと感じた。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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