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毎日の字間

2016.6.11 映画の琴(コト)『探偵はバーにいる』

2016.06.11

探偵はバーにいる
『探偵はバーにいる』(2011年)

2人にネットとスマホを
あげて欲しい。

タバコも公衆電話もない。そんな、ハードボイルドってどうなんだろう? また、インターネットやスマートフォンとの関係は?なんてことを思う。本作はまずは、自分の住んでいる「札幌」が舞台になっているのがとにかく楽しい。いろいろな場面で「あっ、ここはあのあたりだな」と思い浮かぶ。とっても楽しい。

本作の舞台は現代の札幌であるが、話はレトロ感のある和製ハードボイルドとなっている。このあたりは、手堅く安定感を出しているといえるし、逆に考えるとネットやスマホのある現代の視点について、今のリアティが欠落していると思う。僕は1作目の映画の見やすさとしては、本作のスタイルで良かったと思う。

ただ、本作が続いていくなら、今のリアリティという点を考えて作品づくりができたら、いいなと思う。なぜなら、今の時代のドラマには連絡手段でもあるネットやスマホの存在は無視できないからである。僕たちは大切な連絡にネットを使う時代に生きている。そこを描かないと今のドラマとしては、観客と距離感のある作品になってしまうのではないだろうか。僕は主演の魅力ある2人なら、ドラマにスマホやネットをうまく絡ませることは可能だと思う。本作が続くなら、昭和レトロのままの作品として止めたまま続けるのはもったいない。現代ふうのアレンジを望みたい。その点さえクリアーできれば、本作は素晴らしいシリーズものになるに違いない。

その理由は、もう一度書くけど主演の2人のキャラクターは実に魅力ある現代的なキャラクターだと思うから。彼らにスマホとネット環境を与えていただきたい。90点(札幌が舞台なので甘め)
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▼ 石川  伸一(NUMERO DEUX)

毎日の字間

2016.6.5B 映画の琴(コト)『ハイネケン誘拐の代償』

2016.06.05

ハイネケン誘拐の代償
ハイネケン誘拐の代償』(2015年)

本作を観る人は犯人グループの仲間気分。
ホプキンスは意外と薄め。

アンソニー・ホプキンスという俳優は、どんな作品でも良くも悪くも同じ感じなんで、キャラクターの幅としては狭いほうかなと思う。そのかわり、役にハマればすごい存在感を出せる。「羊たちの沈黙」のレクター教授なんで本当に当たり役だったと思う。ひさびさに、その顔を観た本作。

話は実話ベースで、世界的ビール会社ハイネケンの社長(ホプキンス)を誘拐する、素人の誘拐者集団を描いている。誘拐モノというと、犯人、警察、人質の家族、という3つのドラマが同時並行するのが普通であり定石かと思う。

ところが、本作では犯人と人質のドラマだけで進んでいく。では、その思い切った絞り方によって、人質対犯人で濃厚なドラマがあるかと思うと、それも想像以上に薄い。犯人たちは冷酷なテロリストではない。ただ、金に困った集団。運が悪くてヤケ気味。ただ、もとは生真面目なためか、生まれて始めての誘拐もうまくいく。もちろん、ハイネケンを殺すつもりもない。だからといって、犯罪プロ集団でもないから、じわじわと警察の包囲網も迫っていったのだろう。でも、本作ではそういったところが描かれないのでわからない。

本作では、観る側はまるで犯人グループ。なんだかわからないうちに事件は終わる。実際の誘拐でも、誘拐犯側は自分と人質意外の実際な動きなんてまったくわからない訳だから、本作は異様なリアルさを持っているのかもしれない。普通の誘拐サスペンスや、ホプキンスのキャラクターを期待すると肩透かし。でも、アート系映画のひとつとして考えれば、珍しい視点ということで楽しめるかもしれない。50点。

▼ 石川  伸一(NUMERO DEUX)

 

毎日の字間

2016.6.5 映画の琴(コト)『ブリッジ・オブ・スパイ』

2016.06.05

bridge_of_spie
『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)

安定のスピルバーグ作品。
迷ったらみてみて。

僕の世代だと、この監督といえば「E.T」「インディ・ジョーンズ」。SFやファンタジー作品の印象。でも近年では、SF作品等もありつつも、さまざまな作品を撮っている。もはや、特定のイメージを感じさせる監督ではない。もう、巨匠の感じですね。そつなく、良い作品をつくる。安定していて、でもさりげないシーンが凝っている。安定の監督魂をみせてくれる。本作は史実をベースに、東西冷戦下のスパイ交換の交渉をすることなった民間人弁護士(トム・ハンクス)の話。スパイ戦は男子むけの観る人を選ぶマニアック作品になりがち。ところが、本作ではごく普通の家族を持つ弁護士と、東側スパイとハンクスの友情ドラマが、本作を観るものを選ばずに楽しませてくれる。家族で楽しめる安定感、ということを考えるとスピルバーグは「E.T」の頃とまったく変わっていないかもしれない。80点。

▼ 石川  伸一(NUMERO DEUX)

 

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