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2016.10.17 映画の琴(コト)『インフィニ』

2016.10.17

infini
『インフィニ』(2015年)

パッケージには「『マトリックス』シリーズの制作スタッフが描く」と書いてある。でも、壮絶アクションや大スケールのSFXを期待してはいけない。本作は、簡単にいえば「密閉空間での地味SFスリラー」。僕はこうした風味の作品も大好きです。お話は、地球からはるか彼方の星で起きたトラブル。主人公ら救出チームが、ワープみたいな転送技術で送り込まれます。彼らはこうした危険な任務を引き受けるかわりに、高額な報酬を受け取る貧困層でもある。送り込まれた先では、危険なウィルスが蔓延と正体不明なエイリアンの存在。貧しさから抜け出すために、愛する者のために送り込まれた主人公。不安定感いっぱいな星の暗い寒い施設の中、命がけの任務にあたります。そこにはスリラーが待っています。

本作は、オーストラリア映画。ハリウッド映画のような派手さや、大予算を感じられない。でも、低予算を手堅いストーリーとセンスでカバー。安っぽさは感じられない。話自体もオチをふくめてひとつのSF映画のパターン。でも、そこを手堅くまとめている。SF好きなら観る価値のある作品かと思う。僕は好きです。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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2016.10.6 映画の琴(コト)『ヴィジット』

2016.10.06

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『ヴィジット』(2015年)

M・ナイト・シャマラン監督。この人の作品は素直に「シャマラン世界」を楽しむのがいい。細かいことはいいんだよ。整合性とか公平性とか、考えない。シャラマンが考えた世界観を、楽しむか、楽しまないか、というのがポイント。観るべきは、話より場面。僕は「アンブレイカブル」が好きです。この作品はサスペンスなのか、ファンタジーなのか?いや「シャマラン世界」の映画だと思うのです。本作「ヴィジット」も正統派サスペンスやホラーなんて思ってはいけません。追いかけっこや、ラップを楽しめれば、それでいいと思う。僕はシャラマン監督は、一番好きな監督とはいえませんが、こうした個性を持った監督も映画界にいないと寂しいです。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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2016.9.17 映画の琴(コト)『ナイトクローラー』

2016.09.17

might
『ナイトクローラー』(2014年)

主人公はショッキングな現場写真を撮影するフリーカメラマン。ラストを見て、なるほど、こういう映画だったのだなーと思う。ラストで魅せる作品ではないと思う。でも、なかなか興味深い。思わず、人生について考えてしまった。真面目に生きれば、いいのか、不真面目でいいのか。真面目だと成功するのか。不真面目だと失敗するのか。そもそも、真面目の定義とは?ある意味、本作の主人公は、すごく真面目な性格だと思う。そう、真面目なのだ。彼を作ったのは、自身か社会か。それはよくわかなない。カメラマンの話というより、誰もが抱える人生の映画だと思いました。

Text by
アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)

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