『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』(2017年)
主人公は地球生まれだが、父親は異星人。子供のころ宇宙海賊に誘拐される。今は銀河で、ならず者異星人たちとチームを組んで物騒な何でも屋家業。チームの破天荒なキャラクターの魅力に70年〜80年代カルチャーの雰囲気を反映させたコメディ色の濃いSF冒険作品である。主人公の母親の形見の「カセットテープ」から流れる名曲ポップミュージックも本作のとてもいいアクセントになっている。本作はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)の続編。
SF作品であるので、ビジュアルは魅力のひとつ。全体的にコテッとした過剰な感じの美術は 新しめ(70年台〜80年代)のレトロ風味で楽しい。基本コメディ・タッチなので安心して観ることができる。会話の応酬もおもしろい…ただ、それだけけではただのおバカ映画で終わってしまう。本作ではキャラクターたちにに「人と人」の関係性(つながり)というのを、(過剰なほど)繰り返し語らせることによって、考えさせるフックを作っている。それは、あまりにも「正論」なのだけど、それをどこまでもおバカなコメディな中に入れることのよって、印象に残ることに成功している。そこには、人生を笑い飛ばしながら「正しいことをしよう」というメッセージを感じる。正直、僕の感想は大傑作とまでいえないけど、また観たくなるのは本作の根本にある「生真面目さ」を味わいたいのだと思う。
Text by アート・メディアライター 石 川 伸 一 (NUMERO DEUX)