監督は変らない。
DVD REVIEW
「スパイダーマン3」( 2007年・アマリカ)
ヒーローものの3作目ってなかなか難しいところ。監督交代もよくあることだが、本作のサム・ライムは連続3作引き受けているのは偉いと思う。VFXだけで楽しませるのも限界あるしね。
観てみると、プレッシャーもあったと思うけどサム・ライミは結構楽しんで作ったのではないだろうか。極端な変化はさせず、まるでTVシリーズのひとつの話のように手堅くまとめている。スーパーヒーローでありながら、まだまだ人間としては未熟な主人公と彼女との関係を軸に、親友や、職場でのライバル、伯父を殺した犯人、といった単なるどっかから来た見知らぬ敵と戦うではなく、主人公と関係性のある「対決」となっているのが作品に深みを与えている。敵の持ち味も印象に残る。
妙にスケールを大きくしたり、単に見せ場だけのヤラレ役の敵も作らずまとめあげたのはうまいと思う。3作目だけあってラストはいままでの問題を整理した形になっている。