でも、幸せはレシピ化できないのでは。
洋画シネフィル★イマジカ
「マーサの幸せレシピ」
あらすじ:マーサはドイツのフレンチレストランの女性シェフ。真面目で神経質。料理の腕も良い。ある日、姉の子供を引き取ることと、お店に自分とタイプの違うイタリア人シェフが来たことで、いろいろな出来事に見舞われる。
ドイツ映画。僕は個人的にはドイツ女性の感じって好きではないのだけど、本作のヒロインは好き。それは国籍うんぬんというよりも彼女の性格かしら。
寡黙で完璧主義者。自分の自宅の感じも男っぽいインテリアで、ストイックな感じ。
まぁ、実際こんな女性が傍にいたら僕は怒られぱなしのような気がするけど…ただ、スクリーンで観るうえでテキパキと仕事をこなす姿は気持がいい。ただ、カウセリングを受けていたり、自分のアパートの下階に引っ越してきた男に自分の料理を食べさせようとしたり、その声のかけかたも色気ゼロな感じがおもしろい。まぁ、それなりに充実した生活をしていた訳だ。
そこに、亡くなった姉の娘を引き取ることと、仕事場にタイプがまったく違うイタリア人男の出会いによって、彼女の個人としての生活はどんどん破られていく。しかし、それは彼女のさまざまな転機になっていく。それは彼女の人生に厚みを与えていく。料理以外はホントに不器用なマーサの行動がユニークであり愛しい。また、調理場を舞台にした料理シーンの良さ、サウンドトラックの趣味の良さも本作の魅力を盛り上げている。
ラストの展開もいい感じ。ヨーロッパ映画っぽいね。人生におけるさまざまな体験は、より充実した人生のためのレシピなんでしょうね。