10.02.03-03.06「蔦井 乃理子/廣瀬 慎「土鍋と鉄鍋展」
● いつも使いたい、毎日の食事のための鍋。
「蔦井 乃理子/廣瀬 慎『土鍋と鉄鍋展』」
日 時:2010年2月3日(水)~3月6日(土)11:00-18:00(日休)
会 場: kanata art shop(大通西5丁目11番地大五ビル6F)
kanata art shopは、市内の編集・デザインやイベント企画をおこなうkanata planning内にある3坪ほどの小さなカウンターショップ。道内外のクラフト作家が制作したオリジナリティあふれる食器、家具、アクセサリー、おもちゃ、ステーショナリーなどなど、生活を豊かにする良質な雑貨類を販売している。
このお店と作家の距離は近い。150名ものクラフト作家とネットワークを持ち、作家とお客さんをつなぐ「情報ステーション」のようなお店を目指しているという。
作家にリアルな「売場」という形の販路を提供し(web販売も)、訪れるお客さんの「こんなものが欲しい」というニーズを作家に直接伝えられるのが、このお店の他店にはない特長かもしれない。
実際、ある作品の素材・雰囲気で、別の用途の作品が欲しい、という要望があったとき、そのことをお店から作家に伝えることによって、あらたな作品が生まれたこともあったという。
2月初旬から開催されていた企画展示「蔦井 乃理子/廣瀬慎『土鍋と鉄鍋展』」に訪れてみた。本企画のコンセプトは「鍋」というと秋・冬といった「寒い季節に使うもの」という一般的イメージから離れてもらって「年中いつでもつかえるもの」という提案をしたかったそうだ。
同ショップの代表 平塚智恵美は、ふだんより土鍋で野菜を炒めたり、カレーや蒸し物等を作るという。近所のコンビニで手に入るような、ありあわせの材料で簡単においしい料理が作れる道具、としての土鍋・鉄鍋の活用をおすすめしたい、と話してくれた。
以下の展示の様子をの紹介していこう▼
▲ お店全体の様子。右側の棚および中央テーブルには土鍋、左には鉄鍋をメインに展示されている。ちいさなお店ではあるが、作家性の高いオリジナル作品が並んでいて興味深い。
▲ 蔦井 乃理子作の土鍋。手作りのぬくもりが感じられ可愛らしい。置いておくだけでキッチンのインテリアになりそう。このお鍋で、鍋料理はもちろん、炒め物から蒸し物まで簡単においしいものが作れる。鍋は毎日使ってもいいもの。
▲ これは3年ほど使用した土鍋。上の新品の写真と比べてみてほしい。鍋の中身の色が変っているのがわかる。それが「味」として感じられるのが土鍋の魅力。ふたも金たわしでゴシゴシ洗って、そのキズがいい風合いを出すという。持っていて時間が経つのも楽しい。
▲ 廣瀬 慎の鉄鍋の展示。おもわず揃えたくなる魅力的な黒のラインナップ。シンプルながら、細部にこだわりが感じられる。鉄鍋は、そこから出る鉄分によって、鉄分補給ができるというメリットがある。特に女性にお勧めしたい。お湯を沸かしても鉄分によって味がまろやかになるという。
▲ これは薫製鍋。下にチップをひいて薫製を作ることができる。自宅で薫製が楽しめるのは嬉しい。また、この鍋は薫製作りだけではなく、普通の鍋として炒め物等にも使えるので、便利。
鍋の魅力、というのをあらためて感じさせる企画展示だった。
土鍋で、カレーや炒め物を作りたくなった。
お店では今後は「お茶」や「お花見」をテーマにした企画を予定とのこと。日常を豊かに、楽しくなるようなモノが欲しくなったら、このお店を訪ねてみてはどうだろうか 。一生付き合えるモノの出会いがあるかもしれない。
Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)