孤独な行動、ロマンスあり
FilmReview 「コンドル」 (1975)
普通な主役が孤立無援、という状況は映画として魅力的。
あらすじは、事務仕事のCIA職員の主人公(レッドフォード)が、ちょいと買物をしている間に、自分のいる支局の職員が全員殺されてしまう。あわてるレッドフォード、街に逃げ出す。公衆電話で本部に連絡をするも、どうも当てにならない感じ。お迎えがきたと思えば、殺されかける。なぜ?苛立つ主人公と、命を狙う殺し屋。どうすればいいのか…。
主人公は、CIAといっても、暴力とは無縁という設定がいい。そこに観る側は感情移入ができる。道中、見知らぬカメラマン女性宅に拳銃で脅して転がり込む。最初は、嫌々だった彼女も、いつのまにかラブロマンス。このあたりは、都合良すぎなんだけど、ヒロインが美しいから許したい。プロ暗殺者と対等に戦えるのも、ぎごちないアクションに説得力があって、あんまり不自然な感じはしない。
孤独感、ロマンス、プロ暗殺者の不気味な雰囲気もタップリみせてくれて、サスペンスとして、バランスの良い作品だと思う。古い作品なんで、今の時代の映画に比べれば、スローな感じだし、テーマも普通なんだけど、その分、映像にせかされない落ち着いた雰囲気があっていいね。