まともなデニス・ホッパー
DVD REVIEW
「リバース・エッジ」(1987・アメリカ)
キアヌ・リーブス主演。1987年の作品。代表作のひとつ「スピード」より昔の作品。存在感はあるが、内気な若者を演じている。
舞台はアメリカの田舎町。主人公キアヌは、不良高校生。仲間と授業をサボリ、大麻にハマル。いつもお金がない。そんな程度の不良ライフ。ある日、友人のひとりにガールフレンドを殺害したと告白され、川辺に裸で横たわる死体を見せられる。
その友人を匿ってもらうために、街に住む変わり者で、大麻を分けてもらっているフェックに相談をする…
フェックを演じるのはデニス・ホッパー。ダッチ・ワイフと住んでいるという設定が実に自然。さすがホッパー、違和感ゼロ。
ホッパーはいわば、まわりの若者不良達に対して先輩不良。そのやりとりに不良のジェネレーション・ギャップは感じられておもしろい。ホッパーは活動する不良だったし、意味のない殺しはしない、殺しは嫌いだ、と語る。対して、今の若者はなにもすることがない不良として描かれ、何事にも実感のないように描かれる。死んだ友人、殺した友人に対しても、なんの実感もなく、反応も無関心かちぐはぐに思える。
話しが進むにつれてホッパーが一番、マトモなんじゃないかな、と感じてきた。
岡崎京子の「リバースエッジ」は本作にインスパイアされた作品だろうか。そうだとすると岡崎氏はさすがモチーフをうまく自分の作品としてアレンジ・消化しており、さすがだなと思う。
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