歪みと生きる。
DVD REVIEW
「パフューム 〜ある人殺しの物語〜」(2006・ドイツ)
ひとつの寓話をお金をかけて映像化した作品、というのがひとこと感想。それ以上でも、それ以下でもないような感じがした。
現代の複雑な社会に生きる自分の視点で考えると、本作の主人公や、他の登場人物はひどく純真に思える。
民衆のセックスのシーンを観て、世の中には愛のないセックスもある訳だし、セックスだけが愛でもない。よって、セックスだけで愛を表現するのは少々乱暴な感じがした。
また、今の世界では「愛」がなくても「全能」の力さえあれば、それだけで十分生きる理由になるのではないか。
そんなことを考える僕の心には「歪み」がある。それも自分自身の一部であるから、否定はできないし、そのために死ぬ訳にもいかない。うまく付き合ったいくしかない。自分の気質で考えると本作はストレートすぎて正直ピンとこなかった。