終わりがフレンチ。
洋画★シネフィル・イマジカ 「スパイ・バウンド」(2004)
フランスのスパイ映画。「007」みたいな内容を期待するとよくない感じ。実話をベースにしているということで、派手なアクションはあるけど、爽快感より殺伐とした雰囲気。そのリアルさを楽しめるならお勧め。導入からテンポは悪くない。
アウトロー的なスパイ役のヴァンサン・カッセルは、やや型にハマった役だけど魅力的。モニカ・ベルッチもお色気要員ではなく、カッセルより深くを描かれていて、まさに本作の主人公!という演技をみせてくれる。えらく地味ですけどね。
そういえば、お色気シーンがほとんどなし。そうだよな、いろいろなトラブルの渦中にあれば、セックスどころではないでしょう。早く普通に寝たいよね。それに2人の関係が恋人ではなく同じ裏業界の人間として助け合う、という感じがいい。プロフェッショナルなスパイだが、同時に人間としての心も忘れていない部分が控えめながら、リアルに描かれていると思う。
ラスト直前まで、ラストシーンに気付かず、「あっ、これで終わりか」と気がついた時「フランス映画らしいなぁ」としみじみ思うラストでしたね。こういうラストってヨーロッパ映画のひとつの形式なのかしら。
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