ああ、驚いた。
洋画★シネフィル・イマジカ 「スキャナーズ」(1981年)
僕はSFは好きなのか、という自問自答の答は、まで出ない。クローネンバーグの作品は、クローネンバーグだと思う。ジャンルはない。
クローネンバーグの作品で一番メジャー感がある作品は「ザ・フライ」かと思ったら、どうやら記憶違いのようだった。
なにかとショットガンをぶっ放すシーンが出てくる、この「スキャナーズ」のほうが、ずっとエンターテイメント性が高いし、それでいて品がある。冒頭から映像の色彩感覚もいい。
「ザ・フライ」は恋愛というテーマに一歩引いたところがあったのだけど、本作は、クローネンバーグの大好きな「科学がらみの陰謀」というテーマなんで最初のシーンからノリノリなのがよくわかる。
そんな得意な舞台で「スキャナー」という、超能力で人も殺せるエスパー達のバトル合戦。また、スキャナーが電話回線よりコンピューターにアクセスして、自分と一体化させるところなど、27年前の作品だということを考えると、かなりこの手のジャンルのパイオニア的な作品ではないだろうか。
時代的にスキャナー同士の戦いが、当然CG以前の手作り的な特殊効果だけど、これは今でも十分観られるというか、CGよりも良い感じ。マイケル・アイアンサイドの存在感もマル。「プリズナーNo6」のパトリック・マクグーハンを出ているのは最近知った。