サービス満点
洋画★シネフィル・イマジカ
「インランド・エンパイア」(2006)
「サービス」のある映画だと思う。
作風としては「マルホランド・ドライブ」のような現実と夢、そして時間軸が前後する映像世界が描かれる。冒頭からして、夢のようシーン大連発なんだけど、それで3時間近くダレずに見させてしまうのは、まさにリンチ監督のセンスと「サービス」があるからだと思う。
これがヨーロッパのアート系の監督の作品だったら、完全に爆睡するような映画になっていたかもしれない、そこはリンチ。どのシーンにも、不思議なリンチ特有の「サービス」があり、退屈をさせない。「ストレート・ストーリー」でも感じたけど、この「サービス」はリンチに自然に身についているものだと思う。
ただ、自宅で観たのだけど、さすがにこれを劇場で一気に観るのは少しツライ。でも、DVDを自宅で、あんまり考えたくない時、これほど楽しい映画はあるだろうか。