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優しく語りかける都市。

Pt 洋画★シネフィル・イマジカ
「プレイタイム」(1967)

 恥ずかしながら、ジャック・タチの作品をキチンと観たのは今回は初めて。本作は都市を舞台にした実に独特な作品だと思う。ゴダールの「アルファビル」を思い出した。

 近未来のパリを延々と描いている。後半はモダンなお店が開店して朝まで続くパーティのドタバタな様子を描いている。一応、初老男性「ユロ氏」が主人公だけど、特にその行動に強いストーリーがある訳ではない。多くの匿名的な登場人物の中に埋もれていく彼の姿を必死に追っても、映画の中身がわかる訳ではない。

 終始コメディ・タッチ。監督の目指したのはアートなコメディだろううか。本作は、下品なコメディではないし(といって気取った上品なコメディとも違う)、感動のコメディでもない。まったく新しいコメディを構想して、舞台も未来都市に設定したのだろう。正直、大笑いできるようなシーンは僕にはなかったのだけど、心はなんとなく暖かい、優しい気持ちにはなった。
 都市の存在感をコメディを表現したという意味で、唯一無比の作品ではないだろうか。

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