文系と理系をまとめる男気監督
FilmReview
「インサイダー」(1999)
アル・パチーノは相変わらず熱いなぁ、という作品。アル・パチーノって、ハンサムという訳ではないし、暑苦しくて野暮ったい役が基本的に多い、そこがいいというか、僕のような男どもにに受ける役かなと思う。
本作では、ジャーナリズムに命をかける文系男。対してそして、もう一人の主役がラッセル・クロウ。饒舌な、パチーノに対して、博士号を持つバリバリな理系役。寡黙。
そんなふたりの男をまとめあげるのは、男を描いたら(多分)世界一のマイケル・マン監督。本当、男の描きぶりは見事。ちなみに、女性はまったく出番なし。ハリウッド映画で、ここまでヒロインを描かない監督って凄いなぁ、と思う。女性蔑視ということではないと思う。とにかく、この監督はノイズなしで「男」と「男」を描きたいからだと思う。
話の流れは、先に書いた動的なパチーノと、静的なクロウのコントラストがいい。派手なシーンはないが、2人の脇を固める人物の時のは良い味を出している。ひとりで楽しみたい作品かも。