長いよ!と思ったらそうでもなかった。
Film Review
「エグゼクティブ・デシジョン」(1996)
あらすじ:テロリストにハイジャックされた旅客機。4000万人の命を奪う神経ガスを積んでアメリカ本土へ自爆テロをしようとする犯人。政府の特殊部隊が旅客機に秘かにドッキングして機内に潜入。テロを防ごうとする。
観る前にハイジャックもので2時間オーバーは長いじゃない?と思う。ラッセル(スネーク)とセガール(沈黙)がいれば、ハイジャック退治なんで余裕じゃん。でも、残念だけどラッセルの役は非実戦系の博士。セガールは当然、特殊部隊長。これ以外の役は考えられません。でも、セガールがね、いろいろあって驚きの展開。定石はずします。
驚きはそこで終わり。後はわりと普通というか地味な展開。だってクライマックスまでは、潜入をさとられないように観察とガス爆弾の解体。ひっそりとしたものです。だけれど、飽きさせないシーンを重ねていくのはうまい。だから退屈はしないよ。その重ね方も、ありがちな旅客のエピソード披露などはなくて、あくまで特殊部隊とテロリストという関係性だけでみせるのがいい。ヌルくなくていいぞ。
ヒロインCAはハル・ベリーが初々しく好演。強すぎず弱すぎず、緊迫感を盛り上げてくれる。この人脇役がいいかも。悪役については、リーダー役の人が良い。凶悪なテロリストながら、私欲のない潔癖な雰囲気。信念の人という感じや、ハル・ベリーに対する態度が深みを出していた。登場人物の描き方はラッセルと、ベリーとテロリーダーの3者に思い切りスポット絞ってますね。
派手な動きは少なめだけど落ち着いて観せてくれるのが本作の魅力でした。