正月自宅映画コラム「サンダーボルト」
FilmReview「サンダーボルト」(1974)
わが実家では正月時の「紅白」「年越しそば」は廃止されたようで。ちよっとだけ豪華な夕食の後、リビングのソファでウトウトしていたら、気がつくと家の照明は消えていた。消灯時間。21時くらいか?
まぁ、そんな訳で、正月休みというより普通なオフな感じです。そんな時は家で映画をみたりする訳です。いたって普通ですが、普段なかなか観れなかったするので貴重です。そう、世の中にはもの凄い数の映画がある訳です。それを僕は一体、これから何本観られるのでしょうか。そう考えると少しあせる。少しだけ。もっと映画みなきゃ。
本作の監督、マイケル・チミノといえば、僕は「天国の門」と「イヤーオブ・ザ・ドラゴン」の2作しか観ていないというバランスの悪さ。前者は、お金かけすぎなのに興行大失敗。後者は、前者のおかけでハリウッドからホサれた後のカムバック作。ここは代表作であり、アカデミー受賞作の「ディアハンター」を観てるべきなのだろうだけど…観てません。なんで、その視点で語ることはできなけど。
でもねぇ、そんな前知識はいらないよ。本作「サンダーボルト」はスカッと犯罪モノ。まず、はじまりがいい。シャレている。アクションシーンからはじまる導入部。そして、2人の男の出会い、そしてロード・ムービーふうの流れ。これは絶妙。全編においてオフザケ映画ではないのだけど、男臭いコミカルなクライム・ムービーと仕上がっている。とにかく古い作品だけど、テンポがよく画面もキレイ。やや刹那的なアメリカ・ニューシネマふうな終り方もいい味だしている。犯罪やアクションモノって、古い作品だとテンポの悪さや、アクションのしょぼさが気になる作品が結構あるだけど、本作にはまったくなし!うーん、やっぱりセンスがいいと古くても十分おもしろい。