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ヒーローの構造

Dd DVD REVIEW
「デアデビル」( 2003年 アメリカ)

アメコミ原作のヒーローもの。その特徴は「目が見えない」ということ。普通ならプラスアルファな肉体的能力があるはずのヒーローのはずが異色の設定。

盲目の代わりに「レーダーセンス」という特殊能力で、音によってまわりの状況を把握し、敵と戦うことができる。この「レーダーセンス」の部分を、本作では戦いのシーンの時にヒーローの主観の視点の時に映像化していて、戦いの中の変わったアクセントとして見せている。また、戦闘時以外でも、雨が降ると、音の情報が増えるため相手の顔がよく見えるという設定もうまく使っている。

 主役ヒーローは、ベン・アフレックだが、少し役として弱い気がする。こういったヒーローは、普段もちょっとだけ変わった雰囲気があったキャラクターがいいんじゃないかな。アフレックは熱演しているが、普段の姿は単なるプレイボーイという感じで、クセが足りない。バッドマンをやったマイケル・キートンみたいに(これはかなりマニアックな配役なのだが)な感じが希望なのだけど。

 話しはズレるけど、ふと思ったのは、新しいスーパーマンがイマイチ物足りないのは、世を忍ぶクラークケントの時に、新しいスーパーマン役のブランドン・ラウスは、存在感が薄いというか普通すぎ。このあたりは監督の演出もあると思うのだけど、クリストファー・リーブは、ケントという人物をスーパーマンというキャラクターとは別に、存在感のある人物として演じていた。そこで観客は、ひとりの人物の2面性を楽しむことができた。しかしラウスの場合は、単なるスーパーマンの隠れみのとしてのケント役に終始していたような気がする。話しを戻そう。デアデビルは、睡眠を削って、女にフラレながらも、自分の街を守る!でも、時には悩む、というスケールの小さいヒーローぶりは結構良かったかな。また、ちょっと気のふれたような殺し屋と、大ボスはコミック的だけど悪くはなかった。全体的にヒーローもの定石というのは少しづづはずしていて、それが魅力になっていると思う。

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