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存在感の大きさ

Br DVD REVIEW
「BROTHER」( 2000 年日本・イギリス)

    監督、北野武自身の主演ですが途中から登場する、アメリカにシマをかまえる日本人ヤクザ、加藤雅也扮する白瀬が凄く良い。ハンサムなんだけど、ワイルドというか下品で粗暴なヤクザ役がピッタリ。その存在感は本作でトップクラス。観ていると普通にしゃべってるだけで、スクリーンがら出てきて「オイ、コラ!」と普通に殺されそうな迫力。

   ヤクザが適役というより、スクリーンに対して映える。だからハリウッドのSF映画とかに出てもアメリカ人俳優と対等にやりあえそうだ。ここまで存在感があると、ストイックな北野武の演技が単なる地味に見えてくる。これはマイナスか。舞台はアメリカで、バイオレンス・シーンについては普通だと思うのだけど、事務所をかまえた北野らの日常的なシーンの描写がやはり北野監督はうまい。つかみどころのない女性キャラも、映画の中の配役としてセンスが良いと思う。これが、妙に雰囲気のある美女だったりすると、なにかドラマが必要になるし作品全体の雰囲気がブレるではないか。
   残念なのは、せっかくの海外ロケですから、外でちよっと動きのあるような銃撃戦があっても良かったなと思った。発砲がシーンがみんな狭い空間でバーッという一斉射撃なのが単調。もっとカットを組み合わせたシーンがひとつでいいから欲しかった。海外ロケといっても特別なスケールの大きさは、あまり感じないけど監督北野武らしらさはたっぷり味わえる。

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