金曜日の映画
「ジェイソンX 13日の金曜日」(2002年・アメリカ)
最近は、レンタル店のホラーのコーナーをよくみている。でも、コーナーがちいさいのが少し悲しい。
僕が中学〜高校の頃は、ホラー映画のブームだった。当時ヴィデオ・レンタルのブームと重なって、随分マイナーものまでヴィデオ化されていた時代でレンタルのコーナーでも大きかった。僕もホラーに凝り、ハーシェル・ゴードン・ルイスの作品を必死に探したり…変った時代だったと思う。
「13日の金曜日」シリーズはホラーの定番として認められていると思う。でも、真剣にホラーに取り組んでいた(?)昔は、このシリーズはメジャー過ぎて興味なかった。それに、内容が薄いと思った。やはり、「悪魔のいけにえ」のような革新性、芸術性が必要だと思っていたのである。高校生らしい発想である(笑)。今、考えると、ホラーの内容に、濃いも薄いもないような感じがする。
本作は新たなホラーシリーズのフォーマットとしてよく出来ていると思う。ティーンエイジャー集まるキャンプ場にあらわれる殺人鬼、というあたり下世話なところがいい。エッチをしている男女が襲われるというパターンを生み出したのは天才的ではないのか。
さて、最新作10作目である。観る前は、もう出がらしというか今回は宇宙が舞台と聞いて、なんだかなーと思いながら観てみた。ところが!これが結構おもしろいのである。制作側のヤル気とタップリ。
多少セルフ・パロディ的なところが散見されるけど自嘲的なマニア向けではなく、真剣にエンターテインメントとして一般のお客さんも呼び込んでやろう!という山師根性が感じられて楽しい。SFのセットも結構お金をかけていて、でもB級狙いのセンスも悪くない。
作風はあきらかに「エイリアン」シリーズを参考にしているが、それをうまくジェイソンの話として絡めることに違和感なく仕上げているのは、ちょっと凄い。
キャスティングも無名な人材というのも、このシリーズの伝統か。とにかく、はじめてこのシリーズを観る人にも楽しめる作品になっていると思う。かといって本作をきっかけに過去のシリーズを観るべきか、というと僕にはよくわからない。あっ、クローネンバーグは出ているのも凄いぞ。
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